偏心モーター内蔵型振動スケーラーの歯石除去における臨床的有効性の評価
書誌事項
- タイトル別名
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- An Evaluation of the Clinical Effectiveness of a Vibrating Scaler Using an Electric Rotating Mass for Removing Calculus
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抄録
<p> 目的 : 歯石除去は歯周治療において必要不可欠であり, 現在, 種々のスケーラーが用いられている. 今回われわれは, 偏心モーターを内蔵した振動スケーラーを開発し, その臨床的有効性を評価するために治験を実施した.</p><p> 方法 : 東北大学病院治験委員会の承認を得て, 東北大学病院歯周病科に来院した軽中度の慢性歯周病患者20名を対象とした. 対象歯は同顎内の左右同名歯を1組とし, 被験歯には振動スケーラーを, 対照歯には手用スケーラーを用いた. 治療前後の歯石指数 (CI), 治療時間, 治療直後の患者疼痛VASおよび術者疲労度VASを測定した. また, 歯周ポケット (PPD) およびBleeding on Probing (BOP) を治療前および4週後に, 歯肉炎歯数 (GI) を治療前, 1週後および4週後に測定した. 細菌学的指標として, 治療前および4週後に歯周ポケット内細菌検査 (総細菌数, Tannerella forsythia, Treponema denticola, Porphyromonas gingivalis) を行った. CI測定および細菌検査は盲検評価者が行った.</p><p> 結果 : 両群ともにCIは0となり, 治療時間は治験群がわずかに短かった. 患者疼痛VASは治験群が小さい傾向を示したが, 術者疲労度VASに差はなかった. PPDおよびBOP陽性率は両群ともに有意に減少したが, 両群間の差はなかった. GIは有意に減少し, 1週目において治験群は標準治療群より有意に低い値を示した. 歯周ポケット内細菌数は両群ともに変化がみられなかった.</p><p> 結論 : 振動スケーラーは, 従来型の手用スケーラーと同等の歯石除去能力をもち, 治療機器として有用であることが示された.</p>
収録刊行物
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- 日本歯科保存学雑誌
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日本歯科保存学雑誌 60 (3), 111-119, 2017
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680498026752
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- NII論文ID
- 130006946816
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- ISSN
- 21880808
- 03872343
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可