当院透析室におけるフットケアの取り組み
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- 竹田 史子
- 富士見高原病院
書誌事項
- タイトル別名
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- 足病変の実態調査と足アセスメントシートを作成して
抄録
【はじめに】<BR> 近年、透析室での予防的フットケアが大変注目されている。当院透析室でも足病変の早期発見や、生じる前の段階でケアを行っていきたいと思いこの研究に取り組んだ。<BR> 【対象及び方法】<BR> 当院透析患者39名(男性24名・女性15名) ターミナル期の患者、臨時の患者は除く。平均年齢67.9歳。平均透析歴6.7年。皮膚組織潅流圧(以後SPPという)の測定と、足アセスメントシート(図1)を用いた観察を行った。<BR> 【結果】<BR> 1.患者全体のSPP値の割合<BR> 正常値の患者は全体の87%。残りの13%は異常値を示した。<BR> 2.SPP値と透析歴には相関関係は認められなかった。<BR> 3.SPP値と糖尿病の有無、SPP値と喫煙歴の有無の群間比較では、ともに有意差はなかった。<BR> 4.足チェックにより得られた足病変の実態<BR> 最も多かったのは爪肥厚であり、患者の48.7%。続いて爪白癬38.5%、胼胝30.8%、乾燥28.2%、白癬15.4%であった。問題のなかった患者は全体の12.8%で、残りの87.2%には何らかの足病変が認められた(図2)。<BR> 【考察】<BR> 今回の研究で比較した全ての結果において、有意差は無かったが、SPP値が正常範囲であっても、下肢の感覚異常がある患者がおよそ30%いたことを考慮すると、SPP値や症状の有無にかかわらず全患者に足チェックを行う必要がある。まずは患者自身が日常生活の中で傷を作らないようにすること、傷が出来た場合に早期に気がつくことが大切と考えるため、患者自身のフットケア自立に向けた指導や関わりが重要になる。今後さらに高齢化が進み、セルフケアが困難な患者が増えることが推測される。患者の訴えや検査データのみに頼るのではなく、定期的に看護師の目で見て、手で触って確認をすること、患者自身のフットケア自立に向けた指導や、患者と関わる周囲の人々全ての協力が得られるような働きかけが重要だと考える。<BR>
収録刊行物
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- 日本農村医学会学術総会抄録集
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日本農村医学会学術総会抄録集 60 (0), 299-299, 2011
一般社団法人 日本農村医学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680498306048
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- NII論文ID
- 130006946934
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- ISSN
- 18801730
- 18801749
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可