薬剤使用期間を短縮した禁煙外来の評価

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抄録

<緒言>当院は平成12年より自由診療での禁煙外来を実施している。これまで標準的な禁煙支援プログラムに基づき薬剤使用を8週間としていたが、利用者にとって高額となるため、低額化を目的に薬剤使用を3週間に短縮した。変更後のプログラムを評価考察した。 <方法>1.プログラムの比較(図1):変更後は最初の1ヶ月間の受診回数を増やした。また受診時間を対象の希望にできるだけ合わせた。2.評価方法:旧プログラム(H 16~19)14名(以下A)と新プログラム(H20~22)14名(以下B)の禁煙成功率の比較と、Bの受診状況・禁煙の自信度(自信がない1点~自信がある10点)をみた。 <結果>平均年齢はAが50.6歳、Bが54.4歳。禁煙成功率(1年後)は、Aが50%(7名)でBが71.4%(10名)。有意差はなかった。Bの禁煙成功者のうち4週後までの継続受診者は90%(9名)。Bの禁煙成功者の薬剤終了後(4週後)の自信度の平均は7点であった。 <考察>薬剤使用期間を短縮したが、禁煙成功率が低下することはなかった。ニコチン離脱症状は、長くて2~3週間続くといわれており、この期間に薬剤を使用したことは効果的であったと考える。薬剤終了後の禁煙自信度は高く、薬剤使用期間を短縮しても問題はなかったと考える。保健師の頻回なフォローを考慮したプログラムとしたが、4週後まで多くの方が受診され、禁煙開始時の関わりを十分行ったことが禁煙継続につながったと考える。 <まとめ>薬剤使用期間を短縮しても、禁煙成功率の低下は認めなかった。現在保険適応での禁煙外来も実施しているが、保険適応外の方に対しこのプログラムを実施し、多くの方に禁煙支援をおこないたい。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680499173888
  • NII論文ID
    130006947341
  • DOI
    10.14879/nnigss.60.0.375.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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