不顕性恥坐骨骨折の診断上の注意点について

説明

(はじめに)近年MRIの普及とともに不顕性骨折が広く認知されるようになってきた。恥坐骨骨折は大腿骨頚部骨折と鑑別が困難な場合があり、その鑑別診断は重要である。今回不顕性恥坐骨骨折の診断上の注意点につき報告する。<BR> (対象と方法)2010年4月から2011年3月までに当院で加療した不顕性恥坐骨骨折8例。男性1例、女性7例。平均年齢79歳(43-93歳)。転倒外傷の有無、初診時歩行能力(歩行不能、つかまり立、伝い歩き)、恥坐骨骨折の診断に至った画像および所見(時期を変えてのX線、MRI、CT)を調べた。<BR> (結果)転倒歴は6例であった。2例は転倒歴なく脆弱性骨折であった。初診時歩行能力は歩行不能2例、つかまり立ち2例、伝い歩き4例であった。診断確定に至った画像所見は2例では時期を変えてのX線で骨折線が判明した。5例ではMRIで診断、ペースメーカー内臓または銃弾内蔵のためMRI撮像不可能な2例ではCTで診断確定した。<BR> (考察)不顕性恥坐骨骨折は外傷歴なく発症することもあり、身体所見上からは大腿骨近位部骨折の鑑別が困難な場合がある。MRIが診断に有用だが、ペースメーカー内臓などの諸事情によりMRI施行不可能な場合があり、時期を変えてのX線、CTも確定診断上有用と考える。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680499605120
  • NII論文ID
    130006947506
  • DOI
    10.14879/nnigss.60.0.213.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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