A study on therapies for sporotrichosis

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  • スポロトリコーシスに対する治療法の検討

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われわれは高齢者に生じたスポロトリコーシスに対し、ヨウ化カリウム(KI)およびイトラコナゾール(ITZ)により各1例の治療を行った。ITZ治療例ではITZおよびその変化体(OH-ITZ)の組織内濃度を測定する機会を得たので、その結果も含めスポロトリコーシスの治療法について検討した。症例1は79歳女性。6か月前より右前腕に皮膚潰瘍、結節があり、培養でSporothrix schenckiiを検出した。KI内服により潰瘍は2週間で消失し、2か月後には培養陰性となった。一方、症例2は75歳女性。2か月前に左大腿の皮膚潰瘍、結節に気づいた。培養でSporothrix schenckiiを検出。胃腸障害を起こしやすいという既往歴からKIではなく、ITZを選択し、100mg/日1週間、200mg/日8週間内服した。なお温熱療法も勧めたが、実際の施行状況は不明であった。6週後に潰瘍は消失したが、8週後にも培養陽性であったため、切除術を行った。症例2においてITZ内服後、組織のITZおよびOH-ITZ濃度を測定したところ、ITZおよびOH-ITZは過角化、表皮肥厚の著明な組織には十分集積しているが、真皮内濃度は低く、真皮を病変の場とする深部皮膚真菌症では治療に適さないと考えられた。これらの所見から現在のところITZよりKIが本症に対し有効な治療法と考えられるが、KIは作用機序が明確でなく、臨床的には胃腸障害を起りやすいなどの点から今後の検討が必要である。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680500558720
  • NII Article ID
    130006948117
  • DOI
    10.11534/jsmm.50.0.91.0
  • ISSN
    09164804
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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