黒色真菌症を疑った象皮症と皮膚真菌症を併発した1例

説明

71歳男性。2004年頃より右下腿の浮腫が出現。近医にて痂皮中に褐色の菌要素を認めたため、黒色真菌症を疑われ、ゼフナート、アムホテリシンB軟膏を外用したが、症状改善なく、2007年5月23日当科を紹介された。初診時、右下腿は全周性に発赤、腫脹し、象皮様を呈していた。下腿中央~足背にかけて黒褐色調の鱗屑と痂皮が付着し、左下腿下方1/2には色素沈着がみられた。直接検鏡陰性(真菌培養も陰性)で、右下腿うっ滞性症候群に伴うリンパ浮腫により生じた象皮症と考え、抗生剤、プレタール2錠/日開始した。2007年11月頃右下腿に潰瘍が出現し、徐々に拡大、最大5cmの潰瘍を形成した。2008年2月13日安静目的にて当科入院した。真菌検鏡陽性で、培養からカンジダが同定された。乳頭腫状変化部分から生検した組織では乳頭腫症、角層に真菌陽性であった。ケトコナゾール(ニゾラール)クリーム外用を併用した。潰瘍部は入院後著明に改善した。若干文献を加えて報告する。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680500985856
  • NII論文ID
    130006948423
  • DOI
    10.11534/jsmm.52.0.124.0
  • ISSN
    09164804
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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