当科で経験したIgG4-related plasmacytic disease 40例の臨床的特徴の解析
-
- 山本 元久
- 札幌医科大学医学部 内科学第1講座
-
- 苗代 康可
- 札幌医科大学医学部 内科学第1講座 札幌医科大学医学部 教育研究機器センター分子機能解析部門
-
- 山本 大輔
- 札幌医科大学医学部 内科学第1講座
-
- 五十嵐 央祥
- 札幌医科大学医学部 内科学第1講座
-
- 村上 佳世
- 札幌医科大学医学部 内科学第1講座
-
- 小原 美琴子
- 札幌医科大学医学部 内科学第1講座
-
- 鈴木 知佐子
- 札幌医科大学医学部 内科学第1講座
-
- 山本 博幸
- 札幌医科大学医学部 内科学第1講座
-
- 高橋 裕樹
- 札幌医科大学医学部 内科学第1講座
-
- 篠村 恭久
- 札幌医科大学医学部 内科学第1講座
-
- 小海 康夫
- 札幌医科大学医学部 教育研究機器センター分子機能解析部門
-
- 今井 浩三
- 札幌医科大学
-
- 正木 康史
- 金沢医科大学 血液免疫制御学
抄録
【目的】Mikulicz病(MD)や自己免疫性膵炎(AIP)は、腺組織中へのIgG4陽性形質細胞浸潤を特徴とする疾患である。これらの疾患概念の認識が急速に普及し、報告数も増加している。そこで我々は、当科におけるIgG4-related plasmacytic disease40例の臨床的特徴を解析した。 【対象・方法】当科を受診し、高IgG4血症及び組織中にIgG4陽性形質細胞浸潤を確認し得た40例を対象とし、腺分泌機能、血清学的評価、合併症、治療内容、予後について検討した。 【結果】男性は11例、疾患の内訳は、MD 33例、Kuttner腫瘍3例、IgG4関連涙腺炎4例であった。唾液腺分泌能低下は27例、涙腺分泌能低下は24例にみられた。抗核抗体陽性は6例、抗SS-A抗体陽性は1例のみ、低補体血症を呈したのは12例であった。また5例にAIP、6例に間質性腎炎、後腹膜線維症の合併を認めた。臓器障害を有する症例はPSL40~50mg/日、涙腺・唾液腺腫脹のみの症例はPSL10~30mg/日から治療が開始され、速やかに腺腫脹及び分泌機能の改善が得られた。観察期間は最長16年であるが、3例で再燃を認めた。 【結論】IgG4-related plasmacytic diseaseを全身性疾患ととらえ、涙腺・唾液腺などの局所病変を契機に診断された場合も、臓器障害合併を念頭に積極的な全身検索を行う必要がある。また治療は腺分泌能の改善が期待されるため、積極的にステロイド治療を行うのが望ましいと考えられる。
収録刊行物
-
- 日本臨床免疫学会総会抄録集
-
日本臨床免疫学会総会抄録集 35 (0), 31-31, 2007
日本臨床免疫学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282680501314816
-
- NII論文ID
- 130006948732
-
- ISSN
- 18803296
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可