当科における難治性全身性エリテマトーデスに対するrituximabの使用経験

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抄録

近年,難治性の全身性エリテマトーデスに対する抗CD20抗体療法が注目されている.当科でも難治性SLE 2例に対しrituximabを投与したので報告する.<BR>【症例1】19歳,女性.14歳時にSLE発症.パルス療法を含むステロイド大量投与,CsA,IVCYを行ったが,ステロイド減量に伴い再燃し,mPSLパルス療法を繰り返していた.2005年9月より尿蛋白増加,抗DNA抗体異常高値 (1800 IU/l),11月頃より抑うつ状態,情動不安定,記銘力障害を認め,mPSLパルス療法を行ったが,治療後まもなく自殺企図を認めた.同年12月から難治性の腎炎,精神神経症状に対しrituximab 500mgを計3回投与したところ,尿蛋白陰性化,精神症状の改善,抗DNA抗体の著減を認めた.<BR>【症例2】22歳,女性.13歳時,SLE発症.17歳時,抗リン脂質抗体症候群と診断され抗凝固療法を開始した.19歳時,ループス腎炎 (WHO IV型) が増悪し,IVCY,パルス療法を含むステロイド大量投与を行ったが,PSL 22.5 mg/日に減量した時点で抗DNA抗体上昇,補体価低下を認めた.2005年1月より妊娠を契機に腎機能悪化,ネフローゼ症候群 (尿蛋白 11.1 g/日,Alb 1.9 g/dl)を呈した.本人がPSL増量を拒否したため,PSLは増量せずに妊娠中断後の3月よりrituximab 500 mgを投与した.2回の投与では尿蛋白の改善なく,PSL 40mg/日に増量後,さらにrituximab 3回目の投与を行ったところ,尿蛋白の減少,抗DNA抗体低下および補体価上昇を認めた.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680501609728
  • NII論文ID
    130006949111
  • DOI
    10.14906/jscisho.34.0.59.0
  • ISSN
    18803296
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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