急性期SLE患者のB細胞におけるTLR9発現亢進と疾患活動性の関連

説明

〔目的〕最近、獲得免疫とは別に、感染防御に主に働く自然免疫のシステムと自己免疫疾患との関連が報告されている。この認識分子としてToll like receptor (TLR)が機能しており、ヒトにもクローニングされている。TLR9はPlasmacytoid dendritic cell (PDC)およびB cellにのみ発現しており、非メチル化DNA(CpG DNA)がLigandと同定され、receptorとの反応で細胞成熟化や炎症性サイトカインが産生される。今回、我々はSLE患者の末梢血B細胞のTLR9およびTLR9-mRNAの発現を検討した。〔方法〕急性期SLEの患者末梢血から磁気ビーズ法より分離したB細胞に、FITC標識した抗TLR9モノクローナル抗体を細胞内で反応させ、フローサイトメトリーでその発現を測定した。また、TLR9-mRNAについては、同細胞をRNA分離し、リアルタイムPCRで発現を定量した。〔結果〕急性期SLE症例では健常者と比べ、B細胞におけるTLR9-mRNA、TLR9分子の発現が亢進していた。また疾患活動性についてSLEDAIと、B細胞の活性化マーカーであるCD86との関連について検討を行ったところ、SLE症例ではSLEDAIとTLR9発現、CD86とTLR9発現の相関関係がみられた。〔結語〕SLE患者末梢血B細胞ではTLR9発現が亢進しており、疾患活動性や病態と関連している可能性が示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680501667840
  • NII論文ID
    130006949183
  • DOI
    10.14906/jscisho.33.0.93.0
  • ISSN
    18803296
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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