膠原病に伴うレイノー現象に対するシルデナフィルの有効性の検討
説明
膠原病に伴うレイノー現象は、時に指尖潰瘍をきたし壊疽に至ることもある。これまでレイノー現象の治療薬は、プロスタグランディン製剤等の血管拡張剤が用いられてきたが、奏効する例は少なく有効な治療法がないのが現状だった。本研究では、レイノー現象を有する12例に対し、短期試験としてシルデナフィル内服前後で経時的に指尖部温度を測定し、温度上昇に至る血流改善効果があるか確認した。また長期試験として3例に対し3ヶ月間シルデナフィルを投与し、自覚症状、他覚所見、指尖部温度測定によりその有効性を評価した。短期試験ではシルデナフィル内服により1_から_2時間後に0.1_から_7.1度、平均2.4度の指尖部温度上昇を認め、75%の症例で手指の温感を自覚した。長期試験でもシルデナフィル投与3ヵ月後に1.1_から_3.1度、平均2.1度の指尖部温度上昇を認め、指尖潰瘍やひび割れの治癒を認めた。また冷感・疼痛等の自覚症状が約90%減少した症例もあった。シルデナフィルは膠原病に合併したレイノー現象に対し、短時間で指尖部の血流を改善し表面温度を上昇させ得る薬剤であることが確認された。またシルデナフィルを継続して内服することにより、指尖部の血流低下で生じた指尖潰瘍を改善させることが確認された。
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会総会抄録集
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日本臨床免疫学会総会抄録集 34 (0), 102-102, 2006
日本臨床免疫学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680501674752
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- NII論文ID
- 130006949191
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- ISSN
- 18803296
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可