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骨折後の免荷期から荷重期における足底感覚と荷重感覚の経時的変化
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【はじめに】立位において足底部位は唯一地面と身体との関係を直接的に感知しており、足底部位からの感覚入力は姿勢調節の際に重要な役割を果たしている。今回、下腿(脛・腓骨)骨折患者の免荷期から荷重期における足底感覚及び安静時立位荷重量に着目し、経時的変化について報告する。<BR>【症例紹介及び経過】年齢67歳、女性。身長156cm、体重55kg、H18.1.3自宅の階段にて転倒し受傷。当院救急外来受診にて右脛・腓骨骨折の診断とされ同日入院。同年1.3より下腿オルソグラス固定。同年1.10観血的整復術(髄内釘)を施行。同年1.11よりリハビリを開始。粗大感覚検査は右下肢正常。同年1.311/3PWB開始。(松葉杖歩行開始)以後1週毎荷重量増大。荷重痛の訴えなし。<BR>【方法】閉眼座位にて免荷期、1/3PWB、1/2PWB、2/3PWB、FWBのそれぞれの時期において、足底部(裸足)に3つの異なる大きさの円形を提示し、その識別を両足底で解答させた。測定部位としては、母趾球部、小趾球部、踵部の3箇所での測定を実施した。また、1/2PWB可能時期以降において両下肢での正中位保持の重量を測定した。<BR>【結果】円形識別は免荷期では患側足底の正解率20%から60%と低値であり、1/2PWB期では正解率60%から100%となり、以後の測定結果の正解率は高値を示し、免荷期から荷重期では正解率に変化がみられた。健側に関しては免荷期から荷重期を通じて正解率は80%から100%と高値であった。また、荷重量は1/2PWB訓練開始直後は患側15kg、健側40kgと左右差を認めた。2/3PWB 訓練開始期においては患側25kg、健側25kgと左右差は認められなかった。<BR>【考察】今回の結果から、免荷期では粗大感覚検査では患側足底感覚は正常であり、識別課題にて精査することで微細な足底感覚は低下しているといえる。荷重期以降には感覚識別結果は改善傾向にあることから、免荷により一時的に感覚入力が遮断されることで、患側足底の感覚識別に影響を与えていることが考えられる。荷重量としては1/2PWB期の測定では左右差は著明で健側下肢有意な立位保持となっているが、2/3PWB期では荷重量の左右差は認められない。このことから、足底感覚と荷重量認識は関連があるといえ、足底からの感覚入力が制限されることにより体性感覚情報を適切に処理が行えず、正確な身体図式の構築が困難となっていると考えられる。最後に、整形外科疾患を運動器障害だけでなく、自らの身体に関する情報を伝える器官であるという視点から捉えていくことが重要であるといえる。
Journal
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- 関東甲信越ブロック理学療法士学会
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関東甲信越ブロック理学療法士学会 25 (0), 65-65, 2006
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680501772288
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- NII Article ID
- 130006949350
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- ISSN
- 2187123X
- 09169946
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed