間質性肺炎を合併した膠原病患者の予後の検討
説明
(目的)膠原病において間質性肺炎(以下IP)は予後を左右する重要な合併症であり、現在でも難治症例が多く存在する。また、原疾患によって予後に違いがあるといわれているが、長期予後を検討した報告は少ない。今回我々は、過去10年間に当院に入院した膠原病患者で、IPを合併した患者に関し、各疾患別予後、死因と、治療別の予後を検討した。(方法)平成7年_から_平成16年の間に当院に入院した膠原病患者のうち、間質性肺炎を合併した340例(RA 86例、SSc 75例、PM/DM 57例、MCTD 33例、SLE 29例、SjS 21例、MPA 11例、その他 28例)において、急性増悪、死亡症例数の比率を検討し、疾患別、治療別にKaplan-Meier法で累積生存率を解析した。(結果)1. Amyopathic DMは、PM、DMと比べ有意に予後が悪かった。2. 疾患別では、Amyopathic DM 、MPAが予後の悪い傾向にあり、SSc、MCTDは慢性的に経過し予後がいい傾向にあった。3.治療別には、ステロイドパルスを施行した群、シクロフォスファミド使用群、シクロスポリン使用群で、明らかな予後の差はなかった。(考察)IP合併筋炎では、従来の報告とおり、Amyopathic DMが有意に予後の悪い結果となった。またIP合併MPAも治療抵抗性で予後が悪い結果となった。治療別に予後の差はなかったが、急性増悪など重症例に対して、改めて現行のIP治療では限界があることを示していると考えられる。
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会総会抄録集
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日本臨床免疫学会総会抄録集 33 (0), 67-67, 2005
日本臨床免疫学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680501867264
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- NII論文ID
- 130006949460
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- ISSN
- 18803296
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可