訪問場面で求められる資質についての検討

DOI
  • 小池 真平
    (株)孫の手・ぐんま 訪問看護ステーション孫の手
  • 浦野 幸子
    (株)孫の手・ぐんま 訪問看護ステーション孫の手
  • 藤田 友美
    (株)孫の手・ぐんま 訪問看護ステーション孫の手
  • 荻野 光代
    (株)孫の手・ぐんま 訪問看護ステーション孫の手
  • 北村 祥子
    (株)孫の手・ぐんま 訪問看護ステーション孫の手
  • 金井 美幸
    (株)孫の手・ぐんま 訪問看護ステーション孫の手
  • 内海 友佳
    (株)孫の手・ぐんま 訪問看護ステーション孫の手
  • 小山 衣代(OT)
    (株)孫の手・ぐんま 訪問看護ステーション孫の手
  • 今村 雄二(OT)
    (株)孫の手・ぐんま 訪問看護ステーション孫の手
  • 岡田 絵里(ST)
    (株)孫の手・ぐんま 訪問看護ステーション孫の手

書誌事項

タイトル別名
  • ―第一報(アンケート調査より)―

抄録

【目的】現在、訪問リハビリステーション創設に向けて教育システムの構築が必要といわれているが、実際、訪問場面で必要とされる訪問系リハ職の資質に関する報告は少ない。今回、訪問場面ではどのような資質が特に重要であるかを検討し、今後の教育に役立てることを目的とした。<BR> 【方法】当ステーションより訪問看護71または72を利用している利用者本人とその家族、また、県内にて訪問系リハを行っている療法士を対象に、訪問系リハ職に求める資質に関する無記名アンケートを自由記載と多肢選択の回答形式で実施した。項目は、利用者・家族には年代、性別、訪問者の第一印象の影響、第一印象で重視する内容、訪問者に求める資質、その割合、訪問系リハ職には職種、訪問経験月数、訪問者の第一印象の影響、訪問者に必要な資質、その割合、訪問場面で特に必要な知識・技術とした。<BR> 【結果】利用者本人、家族、訪問系リハ職からそれぞれ98件、97件、57件の有効な回答があった。訪問者の資質について、社会性・人間性・専門性をどの程度重視しているのに対し、利用者・家族は社会性よりも人間性・専門性をより重視していた。その中でも人間性については「明るい」(62%)「まじめ」(60%)の項目が高値を示し、専門性では「利用者の身体状況等をしっかり把握している」(61%)「利用者に合った目標とプログラムが提案できる」(48%)の項目が比較的高い値を示した。訪問系リハ職の回答結果では、人間性の中で「明るい」(56%)が、専門性では「専門的な内容を分かりやすく説明できる」(72%)が比較的高い値を示した。「訪問場面で特に必要な知識・技術」の質問では「全身状態の把握」(88%)「リスク管理」(84%)が高値を示した。逆に手技的な項目はほとんどが0%であった。また、「本人・家族への精神的支持」を必要と挙げた割合は、訪問年数が3年以上(89%)と3年未満(51%)とでは開きがあった。<BR> 【考察】訪問系リハ職からみた訪問場面で特に必要な知識・技術は「全身状態の把握」「リスク管理」等が挙げられ、臨床の場での実践を伴った教育が必要であると考える。今回のアンケート調査で、訪問現場では特に必要な事柄として、上記のように医療職としての視点を持ち、専門職として目標やプログラムを分かりやすく利用者へ伝えられる能力と、誠実で明るい態度で利用者と関わり、意欲や安心感といった精神的支持のできる資質が求められていることが示唆された。これらを今後の教育に活かしていくための一助にできれば幸いである。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680502174464
  • NII論文ID
    130006949763
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.28.0.110.0
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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