インフリキシマブ投与関節リウマチ患者における抗核抗体および抗DNA抗体と臨床効果との関連性に関する検討

Yukawa Naoichiro, Fujii Takao, Ishikawa Seiko, Kawabata Daisuke, Nojima Takaki, Ohmura Koichiro, Usui Takashi, Mimori Tsuneyo

doi:10.14906/jscisho.37.0.129.0

【目的】関節リウマチ(RA)に対するインフリキシマブ(IFX)投与による抗核抗体(ANA)、抗ds-DNA抗体(aDNA)の変化、ならびに臨床効果との関連性につき検討した。【方法】当科でIFXを施行したRA患者111例における投与前後のANA、aDNA(RIA法)、および、DAS28により評価した有効性について、レトロスペクティブに解析した。【結果】ANA陽性例(≧1:80)はIFX投与前51/106(48%)→後53/88(60%)と有意な変化はなかったが、aDNA陽性例は前3/93(3%)→後21/78(27%)と有意に増加していた(p<0.001)。投与前ANAが≦1:80であった79例ではgood responseが46例であったのに対し、≧1:160では27例中7例のみと、IFXの治療反応性は投与前のANAにより有意に異なっていた(p=0.008)。IFX投与後ANA≧1:80であった症例は＜1:80と比べて、有意に寛解が少なく(9/53 vs 21/35、p<0.001)、高疾患活動性は多く含まれ(22/53 vs 5/35、p=0.01)、さらに2次無効例が高率に認められた(20/53 vs 2/35、p=0.002)。IFX投与後aDNA陽性であった21例においては、16例が2次無効で、低疾患活動性は2例のみと少なく、寛解例は存在しなかった。【結論】IFXの有効性は投与前のANAにより予測し得る可能性が示唆され、特にANA、aDNAと2次無効との関連性が示された。

インフリキシマブ投与関節リウマチ患者における抗核抗体および抗DNA抗体と臨床効果との関連性に関する検討

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