閉眼片足立ちにおける体性感覚の影響

  • 佐藤 健一
    (株)シルバーアシスト ふれ愛訪問看護ステーション
  • 小林 量作
    新潟医療福祉大学 理学療法学科

Bibliographic Information

Other Title
  • ―閉眼片足立ち高値群、低値群、中高年者群の比較―

Description

【目的】<BR>我々の先行研究ではボールを蹴る足に比べ,高跳びの踏み切り足を片足立ち支持足とすると片足立ち時間が長くなる結果であった.一方,同じ対象者において開眼片足立ちは問題なく保持できるのに,閉眼片足立ちが極端に低下(10秒以下)する者が存在し,その原因は体性感覚などの身体機能低下があるのではないかと考えた.本研究の目的は若年者の片足立ち時間,ロンベルグ率に影響する体性感覚について,中高年者との比較を含めて明らかにすることである.<BR> 【方法】<BR>健常若年者163名,男性105名,女性58名,平均年齢20.3±0.9歳を一次分析の対象とした.一次分析対象者において踏み切足側の片足立ち時間を測定し,開眼・閉眼片足立ち時間の比より算出した時間ロンベルグ率を基に,高値群18名,低値群16名に群別けした.また中高年群37名(65.0±10.3歳)を比較対象に加えた.二点識別覚検査,複合感覚検査(GS20を使用し母趾を検査),立位固有受容覚検査(閉眼立位で片足踏みによるつま先のずれを測定),膝伸展筋力検査,足踏み検査を実施し群間で比較をおこなった.統計解析は正規性検定後に,マン・ホイットニーのU検定,一元配置分散分析,Kruskal Wallis検定を用い,有意水準5%未満とした.なお本研究は新潟医療福祉大学倫理委員会の承認を得て対象者全員から書面による同意を得た.<BR> 【結果】<BR>若年高値群および若年低値群の2群と中高年群とに二点識別覚検査(高値群7.1±1.8mm,低値群7.1±1.5mm,中高年群10.8±4.1mm,p<0.001),複合感覚検査(grade1~10:高値群1.2±0.4,低値群1.8±1.0,中高年群3.2±2.0,p<0.001)いずれも有意差が認められた.健常若年者間における若年高値群と若年低値群とに体性感覚の差は認められなかった.<BR> 【考察】<BR>若年者においては,片足立ち時間,時間ロンベルグ率の低下に体性感覚以外のものが関与している可能性がある.一方,若年者と中高年者間には母趾足底面の2点識別覚,複合感覚に有意な差異があり,これらは加齢による影響が考えられた.

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680504824064
  • NII Article ID
    130006950744
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.30.0.95.0
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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