当施設入所者におけるシーティングの課題
書誌事項
- タイトル別名
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- ―身体寸法、車いす寸法、座位能力からの検討―
抄録
【目的】当施設では平成20年度からシーティングに取り組み始め、当施設入所者(以下入所者)に必要な車いすの把握が課題となった。先行研究では、高齢者の身体寸法を測定した結果、普通型車いすでは不適合とされている。そこで本研究では、入所者の身体寸法と座位能力、車いす寸法や種類の現状を分析し、今後必要な車いすと取り組みを検討することを目的とした。<BR> 【方法】調査期間は平成20年10月10日から同月24日までとした。対象は、入所者49名(男性7名、女性42名:平均年齢84.8±7.2歳)とし、車いすも調査期間中のものとした。なお、本人あるいは家族に対し、本研究の目的と内容を説明し同意を得たのち実施した。調査方法は、各入所者の担当者(理学療法士3名、作業療法士2名:平均経験年数5.0±6.2年)が身体寸法を測定し、Hoffer座位能力分類(JSSC版)を調査した。車いすは台数確認および寸法測定、クッションの調査を実施した。<BR> 【結果】入所者の身体寸法の平均値(男性/女性)は、座位臀幅35.5±2.8cm/32.8±2.7cm、座底長44.1±2.1cm/41.8±3.4cm、座位下腿長41.8±3.0cm/37.1±2.2cm、座位肘頭高23.4±5.0cm/17.5±3.1cm、座位肩甲骨下角高41.5±3.7cm/36.1±3.9cmであった。入所棟内の車いすの種類と台数は、普通型車いす(4種類)62台(80.5%)、低床車いす(2種類)4台(5.2%)、リクライニング車いす2台(2.6%)、モジュラー車いす2台(2.6%)、本人所有の車いす7台(9.1%)であった。79.2%を占める3種類の普通型車いすの寸法の平均値は、座幅40.2±1.3cm、奥行40.0±0.0cm、前座高44.3±2.3cm、アームサポート高22.3±0.8cm、バックサポート高38.2±1.0cmであった。車いす使用者のHoffer座位能力分類(JSSC版)の各群の割合は、手の支持なしで座位可能な群52.6%、手の支持で座位可能な群34.2%、座位不能な群13.2%であり、その中で座面クッション使用者は36.8%であった。<BR> 【考察】入所者の身体寸法と車いす寸法を比較した結果、特に女性において車いすが大きすぎ、不適合となっていた。普通型車いすの中で、最も座幅が狭く、前座高の低い車いすが多く使用されていたのは、台数が多いことや女性の座位下腿長と適合していたためと考えた。また、Hoffer座位能力分類(JSSC版)の各群において、適切な寸法、種類の車いすやクッションを使用していない状況であった。座面クッション使用後はモジュラー車いす、低床車いすが女性に適合しやすくなる。そのため、まず座面クッションの補充を行い、その後クッションの寸法と女性の身体寸法を考慮した車いすやティルト車いすを補充していく必要があると考える。<BR>
収録刊行物
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- 関東甲信越ブロック理学療法士学会
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関東甲信越ブロック理学療法士学会 28 (0), 29-29, 2009
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680505364096
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- NII論文ID
- 130006950869
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- ISSN
- 2187123X
- 09169946
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可