西日本火山帯産灰長石巨晶の結晶化学とストロンチウム同位体組成:島弧火成活動の特性

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タイトル別名
  • Crystal chemistry and strontium isotope composition of anorthite megacrysts from West Japan volcanic belt: A peculiarity of the arc magmatism

抄録

西日本火山帯に位置する阿蘇、姶良、開聞岳、薩摩硫黄島、口永良部島、口之島、諏訪之瀬島、悪石島を構成する火山岩中には、最大2cmの灰長石巨晶が見られる。これらの灰長石巨晶に共通する特徴は、(1)結晶全体にわたって顕著な累帯構造が見られないこと、(2)化学組成も均一で灰長石成分が92%前後であること、(3)包有物として融食形をしたカンラン石を伴うことである。格子定数はc軸が7Å化した高温型として決定された。灰長石巨晶の母岩は、口之島と諏訪之瀬島に産するもの以外はカルク・アルカリ岩系に分類される。灰長石巨晶のSr同位体比は、阿蘇と悪石島以外では母岩よりも低い値である。このことは灰長石巨晶が島弧火成活動の比較的初期段階でより初生的なマグマから晶出し、Sr同位体比が異なるマグマと混合して地表にもたらされたことを示唆する。更に、巨晶、母岩ともに北から南へSr同位体比が高くなる傾向が見られる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680522761344
  • NII論文ID
    130004601168
  • DOI
    10.14824/jakoka.2007.0.229.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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