医薬品開発における非臨床安全性研究の概要
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- 岡井 佳子
- 武田薬品工業株式会社 薬剤安全性研究所
書誌事項
- タイトル別名
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- Overview of non-clinical safety studies for the development of pharmaceuticals
説明
医薬品開発において、非臨床安全性研究は、開発品の望ましくない作用を動物や細胞を用いて明らかする研究であり、合成・製剤研究、薬効・薬理研究、薬物動態研究などの非臨床研究や臨床試験とともに不可欠なものである。<br> 非臨床安全性研究の主な目的は、被験薬の薬理学的及び毒性学的作用の種類及びその用量依存性に関する情報を得るとともに安全量を求めることであり、それらの情報をもとに、臨床試験における被験者の安全性を担保する。また、開発品の薬効用量と毒性発現用量との差が小さい場合には、毒性の重篤性、回復性及び毒性発現のメカニズムを解明することにより、ヒトへの外挿性を検討することも非臨床安全性研究の役割である。<br> さらに、非臨床安全性研究では、研究を科学的に行うことに加えて、医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施基準(Good Laboratory Practice, GLP)に準拠して実施することが求められ、それにより試験の質とデータの信頼性を保証する。実施する試験項目や方法は、医薬品毒性試験法ガイドラインに定められており、急性毒性及び反復投与毒性などの一般毒性試験に加えて、生殖発生毒性、遺伝毒性、がん原性、光毒性、安全性薬理など種々の特殊毒性試験があり、免疫毒性、依存性、局所刺激性試験なども必要に応じて実施される。<br> 本ミニシンポジウムでは、非臨床安全性研究を今後担当するあるいは志す若手研究者を対象として、医薬品の開発における非臨床安全性研究の目的、業務内容及びトキシコロジストとして必要な能力について紹介したい。
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 39.1 (0), MS1-1-, 2012
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680523287296
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- NII論文ID
- 130005008621
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可