銅錯体による血管内皮細胞メタロチオネイン誘導を介在する亜鉛輸送体ZIP7の発現誘導
書誌事項
- タイトル別名
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- Induction of the expression of ZIP7 that mediates metallothionein induction by a copper complex in vascular endothelial cells
抄録
【目的】メタロチオネイン(MT)は,多様な機能を有する生体防御タンパク質である。MTの誘導には,亜鉛の結合による転写因子MTF-1の活性化が不可欠であるが,その活性化に必要な亜鉛の供給源に関しては不明な点が多い。亜鉛の細胞内局在は,亜鉛輸送体ZIPsにより制御されることから,ZIPsを介した亜鉛の輸送は,MTF-1の活性化によるMT誘導に関与する可能性がある。本研究では,内皮細胞のMT誘導する銅錯体Cu(edtc)2 (Cu10) を活用し,内皮細胞のMT誘導における亜鉛輸送体の関与を検討した。【方法】培養ウシ大動脈内皮細胞をCu10で処理し,ZIP1-14ならびにMT-1A/1E/2A mRNA発現をreal-time RT-PCR法によりそれぞれ解析した。ZIP7タンパク質の発現は,還元あるいは非還元処理したタンパク質サンプルを用いてWestern blot法により評価した。ZIPs siRNAはリポフェクション法により導入した。【結果・考察】ZIPs siRNAをそれぞれ導入した内皮細胞をCu10で処理したとき,ZIP7を発現抑制したときのみ,Cu10によるMT-1AおよびMT-2A mRNA発現の上昇が抑制された。Cu10によるMT-1/2タンパク質の誘導は,処理後24時間ではZIP7発現抑制による変動は認められなかったが,48時間後では抑制されていた。一方,Cu10処理によりZIP7 mRNAの発現が上昇していた。非還元条件下におけるZIP7タンパク質の発現を検討したところ,Cu10処理によりZIP7 monomerが減少し,ZIP7 dimerが増加していた。以上の結果より,Cu10の内皮細胞MT誘導に必要なMTF-1の活性化は,Cu10によって発現誘導され二量体化したZIP7が亜鉛イオンを小胞体から細胞質に輸送したことによることが示唆された。
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 43.1 (0), P-2-, 2016
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680523569664
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- NII論文ID
- 130005260681
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可