Effect of glucose starvation on EPO production of HepG2 cell

  • MATSUDA Kensho
    Laboratory of Toxicology, Course of Veterinary Science, Department of Life and Environmental Sciences, Osaka Prefecture University
  • HIRABAYASHI Arisa
    Laboratory of Toxicology, Course of Veterinary Science, Department of Life and Environmental Sciences, Osaka Prefecture University
  • NISHIMURA Kazuhiko
    Laboratory of Toxicology, Course of Veterinary Science, Department of Life and Environmental Sciences, Osaka Prefecture University
  • NAKAGAWA Hiroshi
    Laboratory of Toxicology, Course of Veterinary Science, Department of Life and Environmental Sciences, Osaka Prefecture University

Bibliographic Information

Other Title
  • グルコース飢餓がHepG2細胞のエリスロポエチン産生に及ぼす影響

Description

癌細胞は高い増殖性と増殖環境が低酸素状態に陥りやすいことから、正常細胞よりも多量のグルコースを必要とする。そこで栄養飢餓状態にすることを用いた抗癌治療の研究が行われているが、癌細胞内では栄養飢餓に対して、さまざまな保護機構が働き、効果的な治療法の開発には至っていない。<br>エリスロポエチン(EPO)は様々な組織で細胞保護作用を持つことが知られており、EPO産生能を持つことが知られている肝癌HepG2細胞においても細胞自身が産生するEPOによる保護作用があり、抗癌剤の効果を減弱させることを以前報告した。しかし、グルコース飢餓によってEPO産生がどのような影響を受けるのかは明らかになっていない。本研究では、HepG2細胞を用いて、グルコース飢餓がEPO mRNA発現に与える影響について解析した。<br>グルコースフリー培地(FBS10%)でHepG2細胞を24時間培養したところ、グルコースを含む培地で培養したものと比較して、EPO mRNA発現量の有意な減少が観察された。<br>EPO mRNA発現は、低酸素下においては増強されることが知られているため、グルコースフリー培地でHepG2細胞を24時間培養後、低酸素(5%O2)に6時間暴露したところ、グルコースを含む培地で培養したものと比較して、EPO mRNA発現の増加が抑制されていることが明らかになった。<br>グルコースの取り込みが、EPO産生減少に関与しているのかどうかを調べるために、解糖系の代謝をうけないグルコース類似体である2-デオキシ-D-グルコースで、グルコースを置換したところ、EPO mRNA発現はグルコースフリー培地に比べて増加しなかった。一方、グルコースフリー培地へのピルビン酸の添加はEPO mRNA発現を有意に増加させた。<br>以上の結果から、グルコース飢餓は、グルコースの取り込み過程ではなく、グルコースの代謝を抑制することで、HepG2細胞においてEPO産生を減少させることが示唆された。

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680523927168
  • NII Article ID
    130005260743
  • DOI
    10.14869/toxpt.43.1.0_p-162
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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