Hazard Evaluation Support System Integrated Platform (HESS) - Expansion of applicable domain for renal toxicity evaluation -

OHUCHI Junko, KASAMATSU Toshio, SAKURATANI Yuki, YAMADA Takashi, NISHIYAMA Naohiro, YAMADA Jun

doi:10.14869/toxpt.41.1.0_p-209

全身毒性を評価可能なin silico技術は、化学物質の効率的な開発と管理、動物愛護の観点から早期確立が望まれている。<br>　「有害性評価支援システム統合プラットフォーム(HESS)」は、製品評価技術基盤機構（NITE）が中心となって開発した反復投与毒性評価のin silico支援ツールである。最大の特徴は、化学物質の構造と毒性発現メカニズムを関連付けたカテゴリーライブラリーの搭載で、これにより毒性有無の簡易評価も可能である。<br>　我々は、成書等に記述されている一定の信頼性があると考えられる毒性知見を基にカテゴリーライブラリーを拡充することでHESSの予測性向上が図れるかを検討し、肝毒性について、既知見追加によるHESSの適用範囲拡大と予測感度向上を確認することができた（第40回日本毒性学会学術年会、日本動物実験代替法学会第26回大会）。今回、我々は反復投与毒性試験における主要標的臓器の一つである腎臓について、HESSのさらなる適用範囲の拡大と予測感度の向上を検討した。<br>　まず、腎毒性を示す物質の構造と毒性メカニズムについて、「Casarett & Doull’s Toxicology」、「Handbook of Toxicologic Pathology」、及び本学会編集の「新版トキシコロジー」等の毒性学の成書を中心に、臨床的な知見を含め、既知見を収集・整理した。次に、その情報を基に構造と腎毒性を関連付けた新たなカテゴリーを作成し、HESSカテゴリーライブラリーの拡充を図った。このカテゴリーライブラリーを用いてHESSによる簡易評価を行った。その結果、これまでHESSでは予測が困難であった腎毒性を示す物質について、腎毒性予測の可能性が示された。本アプローチによるHESSの適用範囲拡大の検証結果と、これに伴う予測精度の向上についても併せて考察し、報告する。

Hazard Evaluation Support System Integrated Platform (HESS) - Expansion of applicable domain for renal toxicity evaluation -

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