麻酔剤としてのイソフルラン、ジエチルエーテル、ペントバルビタールがラット肝遺伝子発現に及ぼす影響についての検討
書誌事項
- タイトル別名
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- Effect of anesthetic agent in the liver gene expression profile
説明
2002年に開始されたトキシコゲノミクスプロジェクトでは薬剤の安全性予測を目的として、肝遺伝子発現データベースを構築してきた。このデータベースは薬剤の安全性の予測だけではなく、その作用機序の解明等に寄与することが期待されている。本プロジェクトのラット投与試験において安楽死に使用する麻酔薬はジエチルエーテルに統一されてきた。一方、2006年に日本学術会議から発行された「動物実験の適正な実施に向けたガイドライン」によって、これまで日本国内で麻酔剤として広く使われてきたジエチルエーテルについては、その使用を控え、代替麻酔剤を使用することが推奨されて以降、当麻酔剤の使用が難しくなってきている。そこで麻酔薬の変更のための基礎データ取得を目的として、麻酔薬の違いによる遺伝子発現への影響を確認することとした。<br>本研究では、代替麻酔薬候補としてイソフルランとペントバルビタールを検討した。上記2種とジエチルエーテルを含めた3種の麻酔薬で6週齢のSprague-Dawley系雄性SPFラット〔Crl:CD (SD)〕 (N=5)を処理した後、血液学・血液化学検査とともにRat Genome 230_2.0 Gene Chip (Affymetrix社)を用いて肝臓の遺伝子発現データを取得した。遺伝子発現データは正規化の後、Tukey honestly significant difference検定によって3群を比較した。その結果、遺伝子発現については、ジエチルエーテル群、イソフルラン群、ペントバルビタール群の順に群内のばらつきが少なく、イソフルランはジエチルエーテルに対して、ペントバルビタールよりも有意差のある遺伝子が少ないことが示唆された。
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 41.1 (0), P-96-, 2014
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680524873216
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- NII論文ID
- 130005468820
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可