発光レポーター導入初代肝細胞を用いたin vitro肝毒性試験法の開発

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タイトル別名
  • Developement of in vitro hepatotoxicity assay by means of continuous monitoring of multiple luciferases

抄録

化学物質の28日連投による一般毒性試験において、肝毒性は最も代表的な毒性徴候を示すことが知られており、肝臓は体内に吸収された物質の解毒や代謝に関わる臓器であることから、化学物質の安全性試験において重要な毒性評価臓器となっている。我々は、マウス人工染色体(MI-MAC)ベクターに複数種の発光レポーター遺伝子を挿入したトランスクロモソミックマウスを作製、それより単離した初代肝細胞を用い、非破砕的発光測定により簡便に化学物質の反復暴露が可能なin vitro肝毒性試験系の開発を試みた。<br>本プロジェクトでは、アルブミンプロモーター制御下で小胞体移行型ガウシアルシフェラーゼ(GLuc-KDEL)、および恒常的プロモーター(CAGプロモーター)制御下でヒ緑色発光ルシフェラーゼ(Emerald Luc, ELuc)が発現するトランスクロモソミックマウスを作製した。続いてコラゲナーゼ灌流により肝細胞を採取し、96ウェルプレートを用いた3次元培養に供したところ、約1ヶ月間に渡り内因性のアルブミンタンパク質の分泌、および両ルシフェラーゼの活性が維持されることが確認された。<br>培養開始4日目から培地交換により化学物質処理を開始し、2~3日間毎の培地交換時に培養液中のGLuc活性と肝細胞内のELuc活性を非破砕的に測定し、反復暴露期間中の発光量を経時的に測定した。その結果、アセトアミノフェンやアフラトキンB1の反復処理により、細胞毒性と連動するELuc活性の濃度依存的低下、一方、細胞膜障害に伴うGLuc活性の加が観察され、2種類の発光レポーターはともに化学物質処理による細胞障害作用を示唆する変動を示した。<br>本講演では、さらに複数の化学物質の結果を紹介し、この試験系の有用性について議論したい。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680525197312
  • NII論文ID
    130005260989
  • DOI
    10.14869/toxpt.43.1.0_w6-4
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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