<I>In silico</I>評価モデル、Toxicogenomicsデータを用いた肝毒性予測の現状

DOI
  • 山田 弘
    国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 トキシコゲノミクス・インフォマティクスプロジェクト

書誌事項

タイトル別名
  • <I>In silico</I> screening model and Toxicogenomics data to predict hepatotoxicity

抄録

1998年-2008年の間で欧米およびアジアの市場から撤退した医薬品のうちの約30%は肝毒性が主因であったとの報告がある。それ故、医薬品開発において肝毒性研究は重要な位置付けにあり、研究のさらなる発展が望まれている。探索段階から臨床段階に渡り、医薬品の肝毒性は様々な試験により評価されるが、その中でin silico評価モデルあるいはToxicogenomicsデータの活用が進んでいる。<br>代表的なin silico評価モデルとしては、部分構造活性相関の経験則をルール化した知識ベースにより定性的毒性予測を行うカテゴリーアプローチによる手法、および種々のパラメータから統計ベースで導き出したモデル式を用いて定量的毒性予測を行うQSAR(Quantitative Structure-Activity Relationship)による手法がある。多くのin silico評価モデルは遺伝毒性に対して一定の予測性を示すものの肝毒性については十分な予測性を示すことができておらず、引き続き様々な開発の取組みが行われている。Toxicogenomicsについては 90年代後半になり、先ずは探索段階での毒性試験に対する組込みが試みられるようになった。例えば肝毒性に係る毒性予測、毒性機序の解明、新しいバイオマーカーの開発などに威力を発揮するものと期待されている。これまでマイクロアレイデータを中心として取得されてきたToxicogenomicsデータであるが、次世代シークエンサが広く使われる時代に入り、膨大なデータの網羅的な解析からある特定の生命現象を説明するバイオインフォマティクス技術の重要性が増している。<br>本講演では、in silico 評価モデル、Toxicogenomics データを用いた肝毒性予測の現状と課題について論じる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680525742720
  • NII論文ID
    130005483852
  • DOI
    10.14869/toxpt.42.1.0_w4-6
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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