カドミウムによる内皮細胞毒性を修飾するヘパラン硫酸プロテオグリカン分子種
書誌事項
- タイトル別名
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- Heparan sulfate proteoglycans that protect cadmium cytotoxicity in vascular endothelial cells
抄録
【背景・目的】血管内皮細胞はカドミウムに対し高感受性であるが,一方,液相のヘパラン硫酸糖鎖はカドミウムによる内皮細胞毒性を増強させる。通常,ヘパラン硫酸糖鎖はコアタンパク質に共有結合しており,プロテオグリカン(HSPG)と呼ばれる複合糖質を形成しているが,内皮細胞が産生するHSPGsの主要分子種はパールカンおよびシンデカン-1~4である。本研究の目的は,カドミウムによる内皮細胞毒性を修飾するHSPGsを同定することである。<br>【方法】ウシ大動脈内皮細胞を用いて,細胞傷害性は形態学的観察および乳酸脱水素酵素の逸脱量により評価した。遺伝子導入はリポフェクション法,遺伝子発現は定量的RT-PCR法,および細胞内金属蓄積量はICP-MSを用いた。<br>【結果・考察】HSPGsの主要分子種のうち,パールカン,シンデカン-1,およびシンデカン-4発現抑制細胞でカドミウムによる細胞傷害が増強した。また,これら発現抑制細胞はカドミウム以外の亜ヒ酸,鉛,およびメチル水銀による細胞傷害性も増強させた。一方,これらの分子種を高発現すると,シンデカン-1およびシンデカン-4高発現細胞でカドミウムの毒性は顕著に軽減された。パールカン高発現細胞における影響が認められなかったのは,構成的な発現量が高いためと考えられる。この現象はHSPG分子種特異的であり,デルマタン硫酸プロテオグリカン分子種ビグリカンの発現はカドミウムの内皮細胞毒性に影響しなかった。パールカン,シンデカン-1,およびシンデカン-4を発現抑制すると,カドミウムの細胞内蓄積量が増大し,このときカドミウムの細胞内への輸送に関わる金属輸送体ZIP8遺伝子の発現量も上昇した。本研究は,パールカン,シンデカン-1,およびシンデカン-4がカドミウムの細胞内蓄積量の抑制を通じてその内皮細胞毒性を軽減する因子であることを初めて明らかにした。
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 44.1 (0), S29-1-, 2017
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680525916928
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- NII論文ID
- 130006582308
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可