Effects of cadmium exposure on the testis of Iberian ribbed newt (<i>Pleurodeles waltl</i>)

SUGIYAMA Akihiko, HIRAKO Ayano, TAKEOKA Yuki, TAKEUCHI Takashi, HAYASHI Toshinori, FURUKAWA Satoshi

doi:10.14869/toxpt.44.1.0_o-24

精巣組織は化学物質曝露に対し高感受性であることが知られている。げっ歯類においては、化学物質の曝露によって誘発された精巣病変の病理組織学的変化やその毒性発現機構に関する多数の報告が存在するが、水圏脊椎動物における当該知見は乏しい現状にある。本研究では、既知の精巣毒性物質であるカドミウムの曝露が、水圏脊椎動物であるイベリアトゲイモリ (Pleurodeles waltl)の精巣組織へ及ぼす影響を明らかにすることを目的とした病理組織学的解析を実施した。[方法] 6ヵ月齢の成熟雄イベリアトゲイモリにカドミウム50mg/kgを単回腹腔内投与し、投与後24、48、72、96時間に精巣の病理組織学的解析をおこなった。[結果] カドミウム投与後24時間以降において、精原細胞および精母細胞に多数のpyknosisが誘発され、間質の血管ではうっ血が認められた。当該pyknotic cellsはTUNEL染色および抗cleaved caspase 3抗体に陽性を示した。全実験期間を通じ、カドミウム投与群の精原細胞および精母細胞におけるpyknotic cells 存在率、TUNEL陽性率およびcleaved caspase 3陽性率は、コントロール群に比較し有意な増大を示した。一方、カドミウム投与群の精原細胞および精母細胞におけるmitotic cells存在率およびphospho-histone H3陽性率には、コントロール群との有意差は認められなかった。[考察] 本研究により、カドミウム50mg/kgの単回腹腔内投与を受けた成熟イベリアトゲイモリの精巣では、精原細胞および精母細胞のapoptosisおよび間質の血管のうっ血が誘発されることが明らかとなった。当該所見はカドミウム曝露を受けたげっ歯類の精巣においても認められており、イベリアトゲイモリのカドミウム誘発性精巣病変とげっ歯類のそれは類似していることが示された。今後は、カドミウム曝露によってイベリアトゲイモリの精原細胞および精母細胞に誘発されたapoptosisの病理発生機構を解明することを目的とした解析を実施する予定である。

Effects of cadmium exposure on the testis of Iberian ribbed newt (<i>Pleurodeles waltl</i>)

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