卵子オルガネラの配置に影響する大気汚染物質の探索
書誌事項
- タイトル別名
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- Effects of diesel exhaust-derived secondary organic aerosol (SOA) on oocytes: potential risks to meiotic maturation
抄録
ディーゼルエンジン由来排気粒子(Diesel Exhaust Particles, DEP)の大部分を占めるPM2.5中には二次的に生成する様々な物質が含まれているが、その中でも揮発性有機物質がオゾンや光反応によって酸化されることにより生成する二次生成有機エアロゾル(Secondary Organic Aerosol, SOA)は他の粒子状物質に比べ生体との反応性が高いことが予想されている。近年、PM2.5の健康影響に関しては、呼吸器・循環器のみならず胎児の出生異常に関する疫学報告が増加している。そこで実験的にSOAを作成し、卵子への影響の検出を試みた。DEPにオゾンを反応させて発生させたSOAの粒子成分をテフロンフィルターに捕集し、ジクロロメタンで抽出した。溶媒を除去後ジメチルスルホキシドで調整したサンプルを卵子用培地に懸濁し、in vitroで卵子に対しSOAの直接的な曝露を試みた。C57BL6/J系統マウス卵巣から単離した卵子にSOAを24時間曝露させ、固定した卵子を抗ミトコンドリア抗体で染色したところ、vehicleでは主に核近傍と形質膜付近に比較的分散して存在していた。一方、SOAを曝露した卵子では形質膜付近に集積する卵子が顕著に増加した。ミトコンドリアの核近傍への配置に微小管が関わることから、微小管重合阻害剤ノコダゾールを単離卵子に作用させたところ、SOAの曝露と同様の配置に変化した。SOAは夥しい数の物質から成る混合物であるが、SOA中の責任物質の候補を明らかにするため、当研究所の簡易構造活性相関アルゴリズムを利用し、ノコダゾールに類似する化合物群と同様、微小管構成タンパク質との結合において立体的有利になりえる化合物を予想した。その結果種々のキノン類が候補に挙げられた。そこで、卵子に候補キノンを曝露させたところ、SOAの効果と比べやや弱いものの、同様の表現型を得るものを1つ見出した。
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 44.1 (0), O-19-, 2017
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680526065152
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- NII論文ID
- 130006581855
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可