Cytotoxic action of clioquinol as a lipophilic Zn<SUP>2+</SUP>-chelator

  • OYAMA Tomohiro M.
    Laboratory of Cell Signaling, Faculty of Integrated Arts and Sciences, Tokushima University
  • FUKUNAGA Eri
    Laboratory of Cell Signaling, Faculty of Integrated Arts and Sciences, Tokushima University
  • OYAMA Yasuo
    Laboratory of Cell Signaling, Faculty of Integrated Arts and Sciences, Tokushima University

Bibliographic Information

Other Title
  • 脂溶性亜鉛イオンキレート剤としてのクリオキノールの細胞毒性

Description

【目的】クリオキノール(CQ)は脂溶性Zn2+キレート剤としての臨床応用が考えられている。CQは脂溶性であることから細胞膜を透過して細胞内Zn2+動態に影響を与える。ところで、細胞内Zn2+濃度と酸化ストレスの関係は複雑である。よって、酸化ストレス条件下でCQのZn2+依存性細胞毒性を検討した。<br>【方法】ラット(8–12週齢)から胸腺細胞浮遊液(タイロード液)を調製し、実験に供した。細胞膜及び細胞内イオン・物質動態の変化は蛍光プローブを用いてフローサイトメーターで計測した。酸化ストレスとして過酸化水素(H2O2)を用いた。尚、細胞浮遊液には標本由来のZn2+が200–230nM含まれる。<br>【結果】(1)H2O2(300µM)による細胞致死率上昇を10–300nMのCQはベル型に増加させた。しかし、1µMのCQはH2O2による細胞致死率上昇を著明に減少させた。CQ単独(1µM)は細胞致死率を変化させなかった。(2)H2O2(300µM)とCQ(100nM)による細胞致死率上昇は細胞外Zn2+除去により著明に減少した。(3)CQ(10nM–3µM)単独は300nMをピークとして細胞内Zn2+濃度をベル型に上昇させた。また、H2O2(300µM)存在下でもCQは同様なベル型の反応で、細胞内Zn2+濃度をさらに上昇させた。(4)細胞浮遊液のZn2+除去条件ではCQは100nM以上の濃度で用量依存性に細胞内Zn2+濃度を低下させた。細胞浮遊液にZnCl2を1µM添加した条件ではCQ高濃度(1–3µM)に於ける細胞内Zn2+濃度最大ピークからの減少幅が縮小し、ベル型反応とならなかった。<br>【考察】CQ単体およびZn2+をキレートしたCQが細胞内に入ると仮定すると、CQ濃度、CQのZn2+キレート剤安定度定数、細胞外Zn2+濃度から細胞内Zn2+濃度のベル型変化は説明可能である。また、細胞内Zn2+濃度上昇がH2O2細胞毒性を増強することから、細胞致死率のベル型変化も同様に説明可能である。CQの細胞毒性を考える上で要因の一つは細胞外Zn2+濃度(結果としての細胞内Zn2+濃度上昇)である。(筆頭著者の現所属:医療法人相生会/福岡市)

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680526170368
  • NII Article ID
    130005483317
  • DOI
    10.14869/toxpt.42.1.0_o-10
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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