セロトニン症候群モデルラットの脳および血漿メタボローム解析

DOI
  • 財津 桂
    名古屋大学大学院医学系研究科 法医生命倫理学 名古屋大学 高等研究院
  • 林 由美
    名古屋大学 高等研究院 名古屋大学大学院医学系研究科 医療技術学専攻 病態解析学講座
  • 木村 友哉
    名古屋大学大学院医学系研究科 法医生命倫理学
  • 纐纈 雄太
    名古屋大学大学院医学系研究科 法医生命倫理学
  • 小崎 朋子
    名古屋大学大学院医学系研究科 法医生命倫理学
  • 山中 麻友美
    名古屋大学大学院医学系研究科 法医生命倫理学
  • 草野 麻衣子
    名古屋大学大学院医学系研究科 法医生命倫理学
  • 土橋 均
    名古屋大学大学院医学系研究科 法医生命倫理学
  • 石井 晃
    名古屋大学大学院医学系研究科 法医生命倫理学

書誌事項

タイトル別名
  • Metabolic profiling of brain and plasma in a rat model of serotonin syndrome

抄録

【目的】セロトニン症候群(SS)は、SSRIの過剰摂取等から脳内セロトニン濃度が上昇して発症するとされるが、作用機序には不明な点もあり、現状では臨床検査に有用なバイオマーカーも存在しない。そこで本研究では、既報1)を参考にSSモデルラットを作成し、脳および血漿のメタボローム解析を行った。【実験方法】 6週齢のWistar系雄性ラットを投与2時間前から絶食し、5-HTP DMSO溶液(120 mg/kg)、Clorgyline saline溶液(2 mg/kg)を腹腔内投与してモデルを作成した。対照群には同量のDMSOとsalineを投与した。投与前後で直腸温を測定し、モデル群では直腸温上昇の確認後、対照群では投与35分後に解剖を行い、血漿及び脳を採取した。脳は直ちに大脳・海馬・小脳・脳幹・視床を分離し、急速凍結した。脳の各部位は氷冷MeOHを加えてホモジナイズし、遠心分離後の上清及び血漿にISを加えて溶媒抽出した。遠心濃縮及び凍結乾燥後、メトキシアミン塩酸塩及びMSTFAで誘導体化を行い、島津製作所製 GCMS-TQ8040を用いてGC/MS/MSを行った。【結果】モデル群では投与約10分後から体の震えが起こり、直腸温は最終的に40℃を超え、対照群と有意差 (p<0.001)を示した。GC/MS/MSから得られたメタボロームデータについて主成分分析を行ったところ、血漿ではスコアプロットにおいて良好に2群が分離し、TCA回路や脂肪酸β酸化経路において有意な変動が観察された。これは高体温や振戦に伴う二次的な影響が末梢において観察されたと考えられる。一方、脳ではスコアプロット上で2群の分離は不十分な場合が多く、脳内におけるメタボロームの変動は限定的と考えられた。1) K.Shioda et al. prog neuropsychopharmacol biol psychiatry (2004) 28; 633.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680527136256
  • NII論文ID
    130005483436
  • DOI
    10.14869/toxpt.42.1.0_p-117
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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