ラジカルカチオンの付加反応における立体および電子的効果について

書誌事項

タイトル別名
  • Addition Reactions of Molecular Oxygen to Alkene Radical Cations. Steric and Electronic Effects

説明

カルボカチオンやラジカルなどと異なり、ラジカルカチオンは、スピンと正電荷が分子内で同時に、競争的に、あるいは、拮抗して非局在化し得る特異な性質を持ち得ることから、物理有機化学の新たな展開をはかる上で有用で興味深い研究対象である。今回、オレフィンラジカルカチオンに酸素が付加して生成するぺルオキシラジカルカチオンにおけるスピンや電荷の非局在化の程度、並びに、置換基の立体および電子的効果を解明するため、フェニル基、単純アルキル基、アダマンチル基、ハロゲンなど、さまざまな官能基を持つ数多くのペルオキシラジカルカチオンのエネルギーを計算化学的(B3LYP/6-31G(d))に求め、isodesmic 反応を利用して、これらのペルオキシラジカルカチオンの基準ペルオキシラジカルカチオンに対する相対的安定性を求めた。講演では、これらのデータを元に、ペルオキシラジカルカチオンの安定性の支配因子たるスピンや電荷の非局在化の程度、置換基の立体および電子的効果について考察する。オレフィンラジカルカチオンへの酸素付加の実験結果との相関についても述べる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680531836416
  • NII論文ID
    130004646432
  • DOI
    10.11494/kisoyuki.57.0.11.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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