肌着用編布の物理特性と風合い評価

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • The physical properties and hand evaluation of knitted fabrics for underwear

抄録

目的 肌着用編布については1986年に坂口ら[1]によって客観評価式が開発されたが、現在では従来にはなかった機能性繊維等合成繊維を用いた薄手の肌着用編布が増加している。本研究では、2009年に市販されていた肌着用編布を収集し、その物理特性を捉え、主観評価を行って1986年当時の肌着用編布と比較し、特徴を明らかにすることを目的とした。 方法 2009年に市販された52種の肌着用編布を試料として取り上げた。試料の繊維組成は綿100%19種、混紡15種(綿・合成繊維)、合成繊維18種である。学生25名を被験者として「柔らかさ」、「ふくらみ」、「なめらか」、「あたたかさ」、「冬用衣料としての総合評価」、「夏用衣料としての総合評価」の計6項目について、手触りによる主観評価を行った。物理特性として力学特性、表面特性をKES-Fを用いて測定した。さらに熱・水分移動特性を、サーモラボ_II_を用いて測定した。肌着用編布の既存の風合い客観評価式によって各試料の基本風合い値(こし、ふくらみ、ぬめり、しゃり)と冬夏の各総合風合い値を求めた。 結果 現在多く市販されている肌着用編布の物理特性値の傾向として引張レジリエンス、せん断特性が大きく、厚さが薄くなって圧縮エネルギーが小さく、熱伝導特性が大きいという結果が得られた。薄手の生地が増加するとともに、ポリウレタン繊維が用いられる布が増え、伸び柔らかく、弾力性が大きくなったと考えられる。主観評価値「柔らかさ」、「ふくらみ」はそれぞれ基本風合い値「こし」、「ふくらみ」との相関が高いが、「なめらかさ」は「ぬめり」との相関が低くなった。また、「冬夏用衣料としての総合評価」は客観評価式によって計算された冬夏総合風合い値との相関が低かった。文献[1] 坂口ら;繊機誌,39, T33-42, T43-50 (1986)

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680533674368
  • NII論文ID
    130006955069
  • DOI
    10.11428/kasei.62.0.105.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ