韓国釜山広域市における公共交通改革

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タイトル別名
  • Public traffic reform in Busan Metropolitan City

抄録

目的 近年、我が国の自治体政策では多様な分野において公から民への転換がみられつつあるが、交通政策、例えば市営交通事業等に関してもこういった検討は例外ではない。一方、隣国韓国の大都市では従来民間が行ってきた公共交通事業を準公営化とする交通政策改革の動きが現れている。そこで、本研究では韓国内で2007年2月に市内バスの準公営化が導入された釜山広域市での導入経過とその後の展開に関して把握することを目的とする。 方法 公共交通の準公営化を図った韓国釜山広域市において政策の概要・効果について把握。調査時期は2006年10月、2007年3月である。調査方法は市内の交通政策に大きく関与している機関でのヒアリングによるものとし、釜山市交通局、市内バス・マウルバス各運送事業組合で実施。また、釜山広域市大衆交通市民公聴会への参加による現状問題と制度把握も行った。 結果 釜山広域市では地下鉄の準公営化はすでに実施されており、今回2007年2月の変更は市内バスを対象としたものである。まず制度実施による変更点としては、1)収入管理2)乗換料金体系3)重複路線の調整4)交通重要管理が挙げられる。これにより、交通混雑の緩和、公共交通利用の促進等の効果が期待できるものと釜山広域市側では考えている。また、完全公営化ではなく、準公営化とした理由としてはバスの車庫を全て市が用意しなければならない、運転手の公務員化等の問題により赤字増加が懸念されたためである。今後の課題としては今回の改革対象として含まれなかったマウルバス1)についての収入構造問題等もあげられる。 [注記]1)マウルバス:主に市の郊外域を走る小型バス。日本のコミュニティバスと似た側面も持つ。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680533864064
  • NII論文ID
    130006955323
  • DOI
    10.11428/kasei.59.0.129.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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