The image of body in the late Victorian era

DOI

Bibliographic Information

Other Title
  • ヴィクトリア朝後期の身体観

Description

目的　ヴィクトリア朝後期は，イギリスにおける帝国主義拡大期と重なる。国力は国民の健康に支えられるという発想から，政府により，都市の衛生環境の改善が進められ，人々の健康への関心が高まってきた。なかでも，将来，母となり子どもを生む少女の健康が取りざたされ，健康な身体や衣服に関する論議が巻き起こった。この研究では，当時の書物や女性雑誌，週刊誌に載せられたファッションや美容の記事をとおして，少女に対する身体観を明らかにする。<BR>方法　資料として，The Girl’s Own Paper，Graphic，Punch，The Family Monitor，The Science of Dressを使用する。少女の健康に関する記述や，ファッションについて検討する。<BR>結果<I>　1点目として，少女の健康な身体への関心の増大は，ヴィクトリア朝後期の健康熱が関係する。それを関連づける根拠として，ヴィクトリア朝後期の雑誌において，「健康」という表現が使用された広告が複数確認された。また，石鹸や歯磨き粉の広告が大きく掲載され，衛生観念が高まっている様子が明らかになった。2点目として，少女の身体は鍛錬するべきであるという精神が印刷物をとおして強調され，少女の体育に関心が寄せられた。 健康な身体への関心は，運動をするための活動的な少女服を論議する契機を生み出した。 3点目として，活動的な少女服への関心が高まった背景の一つとして，帝国主義の影響が推察された。

Journal

Keywords

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680534318720
  • NII Article ID
    130006955856
  • DOI
    10.11428/kasei.61.0.215.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

Report a problem

Back to top