衣服設計のための幼児の着脱の自立に関する分析
書誌事項
- タイトル別名
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- An analysis of dressing and undressing of child for clothing design
抄録
目的幼児期は基本的生活習慣の形成期であり,排泄の自立に伴い衣服の着脱が自立する時期である. そこで幼児の着脱の自立を促す衣服構造に資するとともに保育支援の方法についても示唆を得るため, 追跡的着脱実態の観察により着脱の自立様相を捉えた. <BR>方法 観察対象者は’08年4~9月に静岡市F幼稚園に在籍した園児計135名であった. うち,満3歳児30名については春~秋にかけて3回追跡的観察を行った. 観察は幼稚園にて幼児の着脱の様子をビデオカメラにて2方向から撮影した. 観察項目は衣服に関する9項目,着衣の実態3項目,脱衣の実態3項目, 適合性1項目に基本属性として年齢を加え全17項目を解析項目とした. 解析は全被験者を対象に着装と着脱の実態について年齢差を検討した. さらに満3歳児30名を縦断的解析の対象とし, 着脱の自立様相の個性を捉え着装との関係性についても検討した. <BR>結果 (1)着脱の自立の状態は,満3歳児では個人差が著しく満4歳児ではほぼ自立した. (2)脱衣時の補助内容は脱衣動作そのもの,着衣時は着衣動作の補助に加え, 前後や裏表の判別,着衣順の確認など着衣の前段階に補助を要しており,脱衣と着衣では躓きの種類が異なることがわかった. (3)満3歳児の追跡的資料30例について検討した結果, 脱衣が自立した後着衣が自立したパターンや, 脱衣は完全に自立していたが着衣の自立状態が安定しなかったパターン, 最終観察時にも脱衣・着衣ともに自立しなかったパターンなど その自立の様相は個人によって大きく異なり,多様であった. (4)脱衣の自立のプロセスにおいては着用枚数が少ないほど脱ぎやすく, 着衣については前後や裏表の判別しやすい衣服ほど着やすいことが示唆された.
収録刊行物
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- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
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一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 61 (0), 290-290, 2009
一般社団法人 日本家政学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680534368640
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- NII論文ID
- 130006955948
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可