「メヒカリ」の遊離アミノ酸含量と調理による影響

書誌事項

タイトル別名
  • Free amino acids of mehikari and the effect of cooking

説明

【目的】魚は機能性成分として注目されているn-3系高度不飽和脂肪酸のEPAおよびDHA、含硫アミノ酸であるタウリン(Tau)に富んでいることから、生活習慣病の予防効果の観点から関心が高まり多くの研究がなされている。しかし、福島県いわき市の魚でもある「メヒカリ(マルアオメエソ)」の栄養成分についての研究は、ほとんど見られない。そこで、メヒカリの遊離アミノ酸と調理による遊離アミノ酸の変動について検討した。<BR> 【方法】試料には、平成18年10月末に郡山市内のスーパーおよび魚市場より生鮮品を一尾として入手したメヒカリ(愛知県産、宮崎県産、福島県いわき市産)、アジ、サンマ、イワシを用いた。メヒカリの調理は、焼く(電子レンジ、オーブン)、揚げる(素揚げ、唐揚げ、天ぷら、フライ)を行った。一般成分は常法により分析し、遊離アミノ酸組成は日立L-8800型高速アミノ酸自動分析計を用い、生体液分析法で分析した。<BR> 【結果】メヒカリは、アジ、サンマ、イワシに比べてタンパク質含量が低値であった。遊離アミノ酸総量(生鮮品100g当り)は、サンマ、アジ、メヒカリに対して、イワシが顕著に高値であった。メヒカリは頭と内臓の除去により減少した。主要なアミノ酸はサンマ、アジ、イワシではヒスチジン、メヒカリはリジン、Tau、グルタミン酸(Glu)、アラニン、ロイシンであった。メヒカリは漁獲地により、遊離アミノ酸総量、Glu、BCAA(分枝鎖アミノ酸)、アルギニン(Arg)に差が見られ、特にArgは愛知県産、宮崎県産に比べ、いわき市産で高値であった。生鮮品に対して調理品の遊離アミノ酸(除水分除脂質)は低下し、電子レンジ、オーブン、素揚げに比べて唐揚げ、天ぷら、フライでの低下が顕著であった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680534584576
  • NII論文ID
    130006956230
  • DOI
    10.11428/kasei.59.0.179.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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