Action of culture broth of an apple blue mold, <i>Penicillium expansum</i> for fruit tissue

Bibliographic Information

Other Title
  • 果実組織に対するリンゴ青カビ病菌<i>Penicillium expansum</i>の培養液の作用

Description

【目 的】 貯蔵中のリンゴ果実の主要腐敗菌P. expansumは、果実中の主要な多糖類を利用して良好に生育し1)、生産された胞子からは多糖類分解酵素が容易に分泌され、その酵素レベルは、胞子形成培地の炭素源により影響を受けることが報告されている2)。<br>そこで今回は、果実の主要成分である可溶性糖類上で本菌の生育についても調べ、多糖類も含むこれら糖類を用いて本菌を培養して得られた各培養ろ液の果実組織に対する作用について検討を加えた。<br>【方法・結果】 供試菌株は、各種炭素源を含む培地を用いて30℃において、回転および静置培養した。本菌は、リンゴ果実の全画分や不溶性画分を利用して良好に生育したが、グルコース、フルクトースやスクロース等の可溶性画分を炭素源として利用した生育は著しく不良であった。しかし、この場合、炭酸カルシウムの添加により生育は良好になることがわかった。これらの糖からは、それぞれ有機酸が生産され、特に、グルコースを用いた培養では、50%以上の収率でグルコン酸が生産された。以上の各培養ろ液をそれぞれリンゴの組織に加えてインキュベートした場合、キシランで培養したものでは果実組織の細胞壁に、ペクチンでは組織の細胞と細胞の結合に著しい変化が見られ、グルコースで培養したものでは組織の全体的な崩壊が進行し、これとは別に、果実組織の褐変化が著しく抑制されることも見出された。<br>1)木村ら; 日食微誌, 16(3), 171-179, (1999). 2) S. Kimura etc.; Biosci. Biotechnol. Biochem., 66(5), 1126-1129, (2002).

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680534760704
  • NII Article ID
    130006956442
  • DOI
    10.11428/kasei.56.0.49.0
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

Report a problem

Back to top