ポリ-L-乳酸(PLLA)の化学修飾による天然色素染着性の改良
書誌事項
- タイトル別名
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- Chemical modifications of poly(L-lactic acid) to improve dyeability with natural colors
抄録
目的 ポリ-L-乳酸(PLLA)は柔軟な風合いを持ち、繊維表面が弱酸性を示すことから環境・人体に優しい繊維として衣料分野でも実用化されているが染色性が悪く、分散染料でしか染色できない。そこで、本研究はPLLA本来の特性を損なわず、天然色素が染色可能になる化学修飾方法を検討した。 方法 試料にはPLLA100%の布を用い、天然色素との染着を可能にする親水性官能基を持つ試薬との反応条件を検討した。少量の反応試薬と共に石英ガラスに挟んだ試料に波長254 nmの紫外線(UV)を照射する方法、反応試薬と共にパイレックス管に封入した試料にコバルト60を線源とするγ線を5 kGy照射する方法により、それぞれPLLAへの官能基の導入を行った。導入効率とPLLAの力学的物性低下との関係から最適反応条件を決定し、抽出調製した紅茶、カテキュー、黒米により染色を行い、色素染着量、汗・摩擦・洗濯に対する染色堅牢度を評価した。 結果 化学修飾PLLAを染色した結果、最適条件試料の染着量は、未処理PLLAに比べて紅茶で約3倍、カテキューで約9倍、黒米で約3倍増加し、濃色の染色布を得た。染色堅牢度は紅茶染色において、染色布の洗濯試験による変退色、並びに酸性汗及び摩擦による白布の汚染の等級が低かったが、その他の堅牢度試験は3級以上を示した。カテキュー染色では洗濯試験、酸性・アルカリ性汗試験で等級が低かったが、その他は3級以上で実用可能なレベルであった。黒米染色では、汗試験及び洗濯試験ともに堅牢度が低い一方、摩擦堅牢度は高かった。これらの結果から、化学修飾の有用性を示すとともに、染色した試料の色素安定性において媒染方法等、検討すべき課題が残った。
収録刊行物
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- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
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一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 60 (0), 124-124, 2008
一般社団法人 日本家政学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680534830720
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- NII論文ID
- 130006956545
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可