季節差が幼児と母親の睡眠に及ぼす影響

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  • Effects of season on sleep in mothers and infants

抄録

【目的】季節が睡眠に及ぼす影響については多くの報告があるが、幼児と母親に着目したものは少ない。そこで、本研究では、アクチグラフを用いて、季節差が幼児と母親の睡眠に及ぼす影響を検討することを目的とした。<BR> 【方法】被験者は、心身ともに健康な幼児(3~4歳,男女児各5名)と母親10組であった。夏(7月下旬~8月)、秋(9~10月)、冬(1~3月)に測定した。測定項目は寝室内温湿度、アクチグラフ(連続活動量)、主観的睡眠感、温冷感、快適感とした。被験者の自宅でアクチグラフ、寝室内温湿度を7日間連続測定した。7日間の間に2晩、就寝前、起床時の主観的睡眠感、温冷感、快適感を申告してもらった。<BR> 【結果】夜間の寝室の温度は有意な季節差が見られ、夏(27.1±0.6℃)で最も高く、秋(23.0±2.1℃)、冬(15.4±2.3℃)の順に低かった。湿度に季節差は見られなかった。寝具の枚数は、母親、幼児ともに掛け寝具の枚数が夏で秋と冬よりも有意に減少した。アクチグラフによる睡眠変数には、母親では季節による差は見られなかった。幼児では、睡眠中の活動量に有意な季節差が見られ、夏、秋、冬の順に多かった。母親の主観的な睡眠感に差は見られなかったが、母親からみた幼児の睡眠では、有意に夏で睡眠が悪い評価であった。<BR> 【結語】季節差は、母親のアクチグラフにおける睡眠変数に影響は見られないが、幼児では睡眠中の活動量で示される体動に影響することが示唆された。<BR> *本研究は平成19年度文部科学省科学研究費の補助を受けて実施された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680535095040
  • NII論文ID
    130006956806
  • DOI
    10.11428/kasei.60.0.77.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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