ニット縫合部の触感について

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タイトル別名
  • Touch feeling of seam part of knit fabrics

抄録

目的:衣服において一般的に縫製は不可欠であるが、アンダーウエアなどでは、その縫合部が皮膚に負担を与えてしまうことがある。そこで本研究では、各種のニット布に着目し、シームの構造の違いがその縫合部の触感に及ぼす影響について、縫合部の圧縮特性を把握するとともに、官能検査の手法を用いて評価することにした。そして、圧縮特性値が官能検査結果とどのように関連しているか検討する。方法:試料として様々な性状のニット布13種を選択した。ミシンは縁かがり縫いミシン(ステッチ形式504、506)、二重環縫いミシン(401)、偏平縫いミシン(406、407)を使用し、縫い代幅、かがり幅などを変化させ、12種類の様々な縫い代形態のサンプルを縫製した。縫い代部の圧縮特性は、ハンディ圧縮試験機(カトーテック(株))を用いて測定した。縫い代部の触感については、剛さ、存在感、かさばり感、肌への負担などの項目についてSD法(5点法)による官能検査を行った。結果:1枚の布と縫合部の圧縮特性を比較すると、布を縫い合わせることにより圧縮特性値は様々に変化しており、縫い代形態の違いは圧縮特性に大きく結びついていることがわかった。官能試験の結果から、縫い代を割ったり片倒ししたものは、柔らかい感触となり肌への負担が小さいと評価されたが、縫い代が不安定でそのわずらわしさもあることがわかった。厚地の布地は偏平縫いミシンで縫い代始末をすることにより縫い代の存在を感じにくくなるが、薄地の布は逆に縫い代部の存在が強調されることが明らかとなった。このような様々な縫い代部の触感は、その形状や圧縮特性値と密接に関係している。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680535117696
  • NII論文ID
    130006956819
  • DOI
    10.11428/kasei.56.0.55.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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