メシマコブの抗腫瘍効果

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タイトル別名
  • Study of an antitumor activity of Mesimakobu

抄録

目的メシマコブ(Phellinus linteus)は生体調節機能を有するキノコ加工食品として市販されており、血糖値上昇抑制作用などが報告されているが粗抽出液を用いた研究である。粗抽出液は多成分であるため、どの成分が効果を示しているのか確認できていない。今回、演者らは蛋白質の機能性に着目し、癌細胞増殖抑制成分の部分精製を行った後、抗腫瘍活性を調べた。<BR>方法試料は、メシマコブ菌糸体のエキス成分を熱水抽出し乾燥した粉末である。カラムクロマトグラフィーによる精製は、塚本らのニンニクのレクチン蛋白質の精製法に準じた。電気泳動は15%ポリアクリルアミドゲルを用いてSDS電気泳動を行い、泳動後はクマシーブリリアントブルー(CBB)で染色した。糖質量の測定はフェノール硫酸法、蛋白質量の測定はローリー法または280nmの吸光度によった。癌細胞増殖抑制試験は、ヒトリンパ球系癌細胞U937を各段階の精製物で時間依存的に処理し、細胞数を顕微鏡下で測定することにより非処理コントロール群との比較から癌細胞増殖抑制効果を観察した。<BR>結果第1段階の精製はセルラーゼ処理、第2段階はセファデックスG‐75カラムクロマトグラフィー、第3段階はセファデックスG‐75カラムクロマトグラフィーの2番目の蛋白質ピークを減圧で濃縮しDEAE‐トヨパールカラムクロマトグラフィーにかけた。フラクションナンバー20番まではリン酸緩衝液のみで溶出、21番以降はNaClで濃度勾配をかけることにより溶出し、蛋白質ピークについてSDS電気泳動及び癌細胞増殖抑制試験を行った。どのピークも癌細胞増殖抑制効果を示したが、抗腫瘍活性の程度は異なっていた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680535371136
  • NII論文ID
    130006957103
  • DOI
    10.11428/kasei.60.0.305.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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