建材からの揮発性有機化合物放散量に保管条件が与える影響

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タイトル別名
  • Influence of storage conditions of volatile organic compounds emission from building materials:

抄録

【目的】 建材からのVOCs放散量は、室内の温湿度環境だけではなく、材料の種類・材歴に左右される。特に、材歴に関して、保管段階で他からの汚染、及び、VOCs放散が保管期間中に起こることにより、建材本来のVOCs放散量の経時変化に影響が出ることが予想される。よって、本研究では、測定前の建材の保管方法がVOCs放散量の測定に与える影響を明らかにすることを目的とした。【方法】  サンプルを包装後、保管後した。サンプルの包装をはずし、パッシブ型DNPHカートリッジ(対象:アルデヒド、ケトン類)と共に、500mlガラス瓶に入れ、28℃ 設定の恒温槽で24時間採取する。アセトニトリル溶液で抽出後、高速液体クロマトグラフにて定量する。使用サンプルは、0.03gのセメダインをMDF(中密度繊維板)に塗付し、各包装材(アルミホイル、ポリエチレン袋、エアークッション、アルミパック)で包装したものとした。【結果】・VOC放散量変化に最も大きな影響を与えるのは保管時の周囲の温度であった。・VOC放散量は時間を追って減少し、周囲の温度に関わらず、15日間で一定になった。・包装材の密閉性が高いほど放散量の減少が少なく実験を行った包装材のうち、アルミホイルとポリエチレン袋を組み合わせたものが最も変化が少なかった。・同一の包装条件でも、化学物質の種類により放散速度の変化傾向が異なった。 以上のことから、測定前の保管には、温度制御・密閉性の高い包装をすることが必要であることが分かった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680535547264
  • NII論文ID
    130006957224
  • DOI
    10.11428/kasei.55.0.242.1
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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