ポリ(α-ヒドロキシアクリル酸ナトリウム)・脂肪酸複合体の生成と洗浄性

書誌事項

タイトル別名
  • Complex formation of Poly(sodiumα-hydroxyacrylate) with fatty acid and its detergency performance

説明

目的 脂肪酸にポリ(α-ヒドロキシアクリル酸ナトリウム);PHAを混合すると水に溶け易い複合体を生成し、これが油脂汚れの洗浄に寄与することがこれまで明らかになっている。本報では、ポリアクリル酸ナトリウム;PAも比較試料として加え、高分子カルボン酸塩と油脂との相互作用に着目し、洗浄性との関係を探ることとした。方法 ○試料:ラウリン酸、ミリスチン酸、PHA(Mw 10500,純度30%),PA(Mw 8000,純度45%) ○複合体の生成と熱分析 アルミパン中で脂肪酸およびPHA(PA)の混合モル比を変えて熱分析(DSC,リガク電機)することにより、生成する複合体を確認した。○洗浄実験 直径5mmのセルロースろ紙に脂肪酸/アセトン溶液を滴下し、汚染試料を調製した。これをPHA(PA)0.6g/l水溶液10mlにより、所定温度(35~75℃)で10分間振盪洗浄(120cpm)した。その後、ろ紙を引き上げ、デシケータ中で自然乾燥させた後、熱分析により定量した。結果 (1)PHA、PAの混合量が増えるほど生成する複合体の量は増加し、脂肪酸分子に対するポリマー単位の結合比はPHAでは2前後、PAでは6~10であることが判明し、PHAはPAに比べて複合体を生成しやすいことが明らかになった。(2)PHAの複合体生成に関して脂肪酸の鎖長変化はPHAでは影響しないが、PAの場合影響した。(3)生成する複合体は、PHAでは元の脂肪酸より高温側で融解するのに対し、PAでは低温で融解する。(4)PHA、PAともに脂肪酸の融点以上、すなわち複合体が融解する温度での洗浄で高い除去率が得られることを確認した。

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680535570432
  • NII論文ID
    130006957264
  • DOI
    10.11428/kasei.55.0.88.1
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ