ルチン添加ゼラチンのゲル化におよぼすpHの影響とルチン結晶の変化
書誌事項
- タイトル別名
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- Effect of pH on the gelation of a rutin containing gelatin solution and the alteration of rutin crystallization
説明
目的: そばのポリフェノール成分であるルチンは、タンニンのように異種タンパクと相互作用して食品の物性を変化させることが考えられる。そこで、そば添加食品の良好なテクスチャーを見出すために、ルチンとタンパク質の相互作用について追究した。用いたタンパクはタンニンと親和性が高いゼラチンで、混合比、pHを変えてゲル特性の解明を試み、ゲル中におけるルチンの結晶性との関連性についても検討した。<BR>方法: アルカリ処理低温抽出、高温抽出の各ゼラチンを50℃蒸留水に溶解し、ルチン-メタノール溶液を添加してルチン濃度50、100、500、750、1000、2500、5000ppmのサンプル(全量100g)を調製した。pHを、5、5.7、6.5、7.5に調整して5℃で2時間冷却ゲル化後、破断特性などを検討した。また、0、0.5、3、10%の各ゼラチンゾルに5000ppm濃度でルチンを添加し、24時間冷蔵庫(5℃)で保持してルチン結晶を顕鏡観察した。<BR>結果: pH未調整試料(pH5.7)では、ゼラチンの種類に関係なくルチン添加濃度が高くなるに従い破断応力、破断歪はともに低下した。特にルチン2500、5000ppm試料中には結晶構造が出現し、脆くやわらかいゲルとなった。pH5では添加ルチン濃度による破断特性値の差は些少であった。またpH7.5では高濃度ルチン添加においても結晶が見られず破断特性値の低下は抑制された。一方、蒸留水中ではルチンは毛足の長い針状結晶が絡まりあって析出したが、ゼラチンゾル中では濃度が高くなるに従い、短くて細い結晶が塊状に出現した。さらに、電気泳動による各種条件下での分子量分布を測定し、電子顕微鏡によるゲル構造解析と合わせてルチンとゼラチンの相互作用について検討した。
収録刊行物
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- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
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一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 58 (0), 186-186, 2006
一般社団法人 日本家政学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680535652096
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- NII論文ID
- 130006957332
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可