豆乳を用いた含泡米粉食品の品質に及ぼす泡沫特性の影響

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タイトル別名
  • Effects of foam properties on quality of cellular foods prepared with rice flour and soy milk

抄録

<目的>大豆は良質なタンパク質を含み、近年では大豆の3次機能を期待した商品も広く出回っている。本研究では豆乳の起泡性に着目し、豆乳泡沫と米粉を用いて含泡食品の創製を試み、含泡米粉食品の品質に及ぼす泡沫特性の影響について検討した。<方法>無調製豆乳100gをハンドミキサーを用いて撹拌することにより泡沫を調製した。温度を25℃、撹拌速度を650または950rpmとし、撹拌翼を3種、撹拌時間を1_から_10分の5条件でそれぞれ泡立てた15種類の泡沫を用いた。豆乳泡沫に米粉65gの割合で混合したバッターを35gカヌレ型に詰め、スチームコンベクションで300℃5分+100℃5分で焼成し含泡米粉食品を得た。比較対照として卵白を用い、同様に試料を調製した。焼成一日後の製品について比容積、レオロジー特性、水分含量を測定した。バッターについては動的粘弾性を測定した。<結果>調製法の工夫により豆乳泡沫と米粉のみで含泡食品を創製できた。豆乳、卵白いずれの泡沫を用いた製品でも、比容積が大きいほど柔らかくなる傾向が認められた。豆乳泡沫では、平均気泡径が20μm以上であると平均気泡径と製品の硬さに比例関係が見られたが、それ以下の気泡径では逆の傾向となった。豆乳泡沫の気泡径分布における歪度と製品の硬さには相関関係は得られなかったが、豆乳泡沫の平均気泡径を20μm付近に調製すると比容積が大きくかつ、柔らかいケーキが得られることが明らかとなった。このバッターの流動性(?G’)は他の泡沫を用いた試料よりも高値を示す傾向にあった。以上の結果から豆乳を用いた含泡米粉食品を創製する際にはその平均気泡径を制御することで、バッターの流動性を決定づけ、製品の比容積と硬さを調節することができると考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680535694336
  • NII論文ID
    130006957357
  • DOI
    10.11428/kasei.58.0.183.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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