食文化からみた食育に関する一考察

書誌事項

タイトル別名
  • one consideration about the appetite education of food culture

説明

現代の子どもを取り巻く食生活は、味覚1つを取り上げても濃厚な味の食べ物に慣れ親しみ、自然本来の食材を味わい、おいしいと感じる体験が少なくなってきている。日本の伝統的な食文化である「だし料理」は、行事食おせち料理やお雑煮に代表されるように、長年にわたり、親しまれてきた。しかし、ファーストフードや加工食品などの簡便で安価な食品が食生活に浸透している実情では、おせち料理やお雑煮も手間ひまをかけない調理済みの加工食品が今日の食生活の主流になっていることは拭えない。この事例は現代の日本の食生活を反映したものの1つである。今、子どもの食生活、未来の食生活を危惧する1つの要因が「味覚」となっている。すなわち、幼稚園、小学校などの初等教育において、味覚を育てていこうとする「スローフード」の運動がある。加工食品などの濃厚な味に慣れ親しむのではなく、自然本来の食材を味わい、味を堪能し、「おいしい!」と感じる五感、つまり、「味覚」を育てていこうという取り組みが始まりつつある。例えば、食育では「5大栄養素」に「白の食品=だし」を加えていこうとする方向が検討されている。そこで、本研究では、味覚とだし文化に着目して日本の伝統食を見直し、味覚を育てていく学習環境を食育プログラムとして考えた。子どもの実態に即しながら、今後、どのような食育プログラムを構築していけばよいのかを実践研究をもとに検証していくものである。味覚を育てるといのは難しいことではあるが、日本の食文化を未来に継承していくのは子どもたちであり、食文化を継承する担い手である子どもたちの食環境を改善していくのは、今後の食育の方向性である。本研究が今後の食育に貢献できる1つになればと考える。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680535966848
  • NII論文ID
    130006957532
  • DOI
    10.11428/kasei.60.0.232.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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