ヴォーグにみる1900年代アメリカにおける衣生活の工夫

書誌事項

タイトル別名
  • Ingenuity in clothing life in 1900's the United States: Focusing on Vogue

説明

[目的]1892年にアメリカで創刊され現在では12カ国で発行されているVogueは世界で最も有名なファッション誌のひとつであるが、元々はニューヨークの社交界の人々を対象に発行された雑誌である。その読者層は少数であるため誌面に描かれる生活は一般的な人々の生活とは異なっているが、彼らの収入にも上限があるためその中で社交界のメンバーとしての体面を保つために衣生活についてどのような工夫をしているかを探る。<br> <br> [方法]ヴォーグを資料として服飾に関する記事を中心に衣服の種類や価格、入手方法について検討した。さらにヴォーグ誌面に連載されている服飾記事からヴォーグ読者層の衣生活について特にどのような衣服を重視しているか、またどのように新しい衣服を手に入れる工夫をしているかを考察した。<br> <br> [結果]ヴォーグは上流階級向けの雑誌であるため、その中に見られる服飾は日常生活で必要なものの他にダンス・パーティーや晩餐会、観劇など社交の場で着用するドレスが多くみられた。またそのような場で着用するドレスは流行を重視しており前年と同じドレスは着るべきでないといった意見もみられるが、定期的に誌面に掲載されている”Smart Fashions for Limited Incomes”という記事では毎年新しいドレスをつくるのではなく手持ちのものをつくりかえることで今年風のものにみせることを勧めている。このような工夫は経済的な必要性に迫られて行われていたと同時に、手芸や家計のやりくりといった家政の手腕を発揮することで女性が主婦としての家庭での存在意義を主張する機会でもあったといえる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680535983744
  • NII論文ID
    130006957555
  • DOI
    10.11428/kasei.60.0.240.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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