Sears Roebuckのカタログにみる米国の生活デザイン

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書誌事項

タイトル別名
  • Life design of America through the catalogues of Sears Roebuck
  • Clothing and its surrounding equipment
  • 衣生活とその周辺機器を中心に

抄録

目的20世紀初頭の米国では世界に先駆け、大衆消費社会が登場した。その米国でカタログによる通信販売会社として大きな発展をとげたSears , Roebuck & Co.は1886年に創設された。未だ流通網の発達していなかった当時、広大な米国に住む人々にとって、カタログによる通信販売は消費社会を支えた。特に地方では一家に一冊はあったとされることからもSears社のカタログは当時の米国社会や人々の生活、動向を知る上で、大きな手掛かりとなる資料であると考える。そこで、これらの資料をもとに商品の出現状況や種類を把握することで当時の米国消費社会の実態を解明していくことを目的とする。<BR>方法1886年から1993年までに発行された総合カタログの内、今回は1902年,1927年,1952年,1974年,1993年を主な資料とし、これらに掲載されている全商品の集計、分類を行い、約1世紀の動向を探る。<BR>結果各商品が掲載された頁の配置を分野別にみると衣料品は1902年では主にカタログの後方に位置していたのに対し、1927年以降になると最初の頁より掲載されるようになる。1000頁を超えるカタログの全頁数に対する衣料品の頁数の割合を年代別にみると1902年から順に22%、25%、31%、35%、20%となる。これにより1974年までに人々が衣料品に関心を寄せるようになったということ、年代を追う毎に工具や馬具、銃製品から衣料品、日用品に重点が置かれるようになったことが伺える。商品の出現状況をみると1902年には氷冷蔵庫や手動の洗濯機、1927年には自動車製品や電気掃除機、1952年にはテレビ、1993年にはパソコンが登場し、生活機器の変遷が伺える。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680535984640
  • NII論文ID
    130006957556
  • DOI
    10.11428/kasei.60.0.241.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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