オーバーロックミシン縫い目の強さ

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タイトル別名
  • Strength of Overedge chain stitch seam

抄録

目的 オーバーロックミシン(縁かがり縫いミシン)は、縫い代の始末と縫合を同時に行うことができ、また縫製能率も良いため、衣服製造に大変よく用いられている。しかし現在まで、オーバーロックミシン縫製に関しては、余り研究されているとはいえない。本研究では、縫い目の基本的性質として重要な縫い目強さについて、検討することにした。<BR> 方法 オーバーロックミシンには多くの種類があるが、ここでは使用頻度の比較的高いステッチ形式504と514に着目し、実験することにした。両者のステッチ構造は似ているが、前者は1本針、後者は2本針である。実験はステッチ密度や縫い糸張力等にも注意し、二枚重ねの織物を縫製して、試料を製作した。縫い目強さは、引張り試験機(テンシロン)を用い、縫い目が破壊するまでの最大強さを求めた。また縫い糸切断箇所、布破壊等の破壊原因についても調べた。<BR> 結果 ステッチ形式504と514ともに針糸、ルーパー糸に同種の糸を用いた場合には、針糸が切断して縫い目が破壊した。ステッチ形式514の場合には、縁に近い方の針糸(左針糸)が選択的に破壊した。このミシンステッチは、基本的に糸のルーピングにより形成されるので、糸が破壊する場合の縫い目強さには、縫い糸のループ強さ(引掛け強さ)が大きな意味を持つと考えられる。また縫い糸には強さのバラツキがあり、均等に各ステッチに力かかれば、最も強さが小さい箇所で破壊が起こるはずである1)。これをもとに、理論的に縫い目強さを考えると、針糸張力を強く設定した条件では、縫い目強さは理論とよく一致することが示された。<BR> [文献]1)島崎恒藏他:繊学誌, Vol.47, No.7, 365~372(1991)

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680535996416
  • NII論文ID
    130006957576
  • DOI
    10.11428/kasei.60.0.209.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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