脛骨下1/3骨折に対する横止め髄内釘固定法の治療経験

  • 中江 聡
    日本赤十字社和歌山医療センター 整形外科
  • 百名 克文
    日本赤十字社和歌山医療センター 整形外科
  • 麻田 義之
    日本赤十字社和歌山医療センター 整形外科
  • 玉置 康之
    日本赤十字社和歌山医療センター 整形外科
  • 田中 康之
    日本赤十字社和歌山医療センター 整形外科

説明

<目的>骨折線が足関節の近くに及ぶ脛骨骨幹部骨折は、関節近くの髄腔が骨幹部よりも広く髄内釘固定法では強固な固定が困難であると考えられ、プレート固定法や創外固定法が選択されることが多かった。今回我々はこれらの症例に対し髄内釘固定法を行い、その有用性について検討した。 <対象>脛骨下1/3骨折19例で、男性12例、女性7例、受傷時平均年齢49.1(17?77)歳。AO分類でtype A1が11例、type A2が5例、type A3が3例であった。 <調査項目>骨癒合期間、骨癒合時のAP mortice angle(AMA)、lateral mortice angle、横止めlocking screwのlooseningの有無と合併症について調査した。 <結果>AMA平均91.8(84?102)°、LMA平均83.0(77?89)°で、全例骨癒合を得た。明らかな横止めlocking screwのlooseningは認めなかったが、一部症例に骨折部の外反変形を認めた。 <考察>脛骨下1/3骨折に髄内定固定法を行った。全例に骨癒合が得られ有効であると考えられた。今回、腓骨骨折を合併しているものは全て保存的加療としたが、脛骨骨折線が足関節面に近く同レベルに腓骨骨折を合併しているものにAMA値が大きくなる傾向が認められた。よってこのような症例の骨折部の外反変形予防のためには腓骨骨折の整復固定が必要と考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680536257024
  • NII論文ID
    130006957678
  • DOI
    10.11359/cjaost.105.0.323.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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