液体麹における白麹菌の酵素生産の増強

  • 三貝 咲紀
    北九州市立大学大学院 国際環境工学研究科 環境システム専攻
  • 森田 洋
    北九州市立大学 国際環境工学部 環境生命工学科

書誌事項

タイトル別名
  • Enzyme production in submerged koji by Aspergillus kawachii

説明

目的 焼酎製造に使用される白麹菌Aspergillus kawachiiは、α-アミラーゼと耐酸性α-アミラーゼ、クエン酸を生産するという特徴を持つ。一般的に焼酎製造に用いられる固体培養法では、酵素生産性が高い反面、麹の温度や湿度などの制御が難しく職人技に頼っているのが現状である。一方、液体培養は、固体培養法の問題点を補うことができるが、酵素生産性が低いという欠点がある。そこで本研究では、液体培養での耐酸性α-アミラーゼ活性の増強を試みた。<br> 方法 菌株にAspergillus kawachii NBRC 4308 を使用した。この菌株の胞子懸濁液を基本液体培地である糊化米粉を炭素源とした改変SLS液体培地に接種し、30 ℃、200 rpmで3 日間振とう培養を行った。 <br> 結果 酒類製造では、麹やもろみの腐敗防止の為に乳酸を生産する乳酸菌を添加する。そこで焼酎のもろみ中のpHが低いことから、液体培地にAspergillus kawachiiとヨーグルトから分離した乳酸菌を接種し、共培養を行った。その結果、耐酸性α-アミラーゼ活性は、乳酸菌とAspergillus kawachiiの添加比にかかわらず、増強しないことが明らかとなった。そこで、直接ヨーグルトを基本培地に接種したところ、酵素活性の増強を確認した。これは、乳酸菌ではなくヨーグルトの原料が耐酸性α-アミラーゼ活性の増強につながったと示唆される。以上のことからヨーグルトの成分である牛乳を液体培地に添加したところ、α-アミラーゼは固体培養の約70 倍、耐酸性α-アミラーゼでは約160 倍の高い活性を得ることができた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680536439168
  • NII論文ID
    130005470518
  • DOI
    10.11428/kasei.66.0_65
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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